研究課題
基盤研究(C)
(1)BACトランスジェニックマウスを用いたin vivoでの定量的なレポーター解析系の確立Gata1遺伝子の翻訳領域をGFP cDNAに置換したマウス大腸菌人工染色体(BAC)を用いてトランスジェニック(TG)マウス(GATA-1BAC GFP TGマウス)を4ライン樹立した。GFPの発現は内因性Gata1遺伝子の発現様式を忠実に再現しており、GFPmRNA量および蛍光強度はトランスジーンのコピー数に依存していた。この系によって、Gata1遺伝子に存在するシスエレメントがGata1発現量にどの程度貢献しているかについて、マウス個体を用いて解析することが可能となった。(2)Gata1遺伝子のシスエレメントを欠失させたBAC GFP TGマウスの解析(1)の系を用いてGata1遺伝子の発現において強力なエンハンサーとして機能するGata1 hematopoietic enhancer (G1HE)領域に欠失や変異を加えたTGマウスを作成した。その結果、骨髄での赤血球系細胞にGFP陽性細胞の減少とGFP発現強度の低下が観察された。赤血球の分化段階を追って解析した結果、Gata1の発現量が最大となる前赤芽球では、GFP強度は1/5程度にまで減少していたもののGFP陽性細胞の数は保たれていた。一方、前赤芽球より未熟な細胞や分化した細胞ではGFP陽性細胞数が著しく減少していた。これらの結果から、前赤芽球ではG1HEに依存しない制御様式が存在しているが、分化の初期および後期ではG1HEはGata1の発現に必須であることが示唆された。さらに、G1HEに含まれるGATA boxに変異を加えただけでほぼ同様の結果が再現されたことから、GATA-1,GATA-2によるGata1遺伝子の自律的な制御がエンハンサー機能の中心的な役割を担っていると考えられた。
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