研究概要 |
WT1には4種のisoform[17AA(+)KTS(+),17AA(+)KTS(-),17AA(-)KTS(+),17AA(-)KTS(-)]が存在する。これらのうち17AA領域を持つisoform[17AA(+)KTS(+),17AA(+)KTS(-)]が白血病細胞のみではなく様々な固形癌細胞においても抗アポトーシス作用を持つことを明らかにした。また、17AA領域を持たないisoform[17AA(-)KTS(+),17AA(-)KTS(-)]は種々の固形癌細胞において抗アポトーシスの機能を示すこと、さらに17AA(-)KTS(-) isoformには細胞運動を増強する機能があることを明らかにした。さらにWT1 17AA(+)KTS(+) isoformの抗アポトーシス機能とWT1 17AA(-)KTS(-) isoformの細胞運動増強能に着目し、これらのisoformの様々な部位を欠失させた欠失変異体を作成し、それぞれの変異体の機能を解析した。その結果、17AA(+)KTS(+)と17AA(-)KTS(-)isoformのそれぞれは、複数の機能関連.部位を持つことが明らかになった。さらにこれらの部位のみを細胞に発現させるとそれぞれのWT1 isoformの機能を調節しうることが明らかになった。これらの結果はWT1 isoformのそれぞれの機能が本研究で同定された部位を介する他の分子との相互作用に依存していることを示している。
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