研究課題
基盤研究(C)
悪性リンパ腫・白血病細胞のなかには難治性で極めて予後の悪いものから比較的予後のよいものまで様々であるが、いずれにしても化学療法・放射線療法・免疫療法等々様々な治療の結果ほぼ腫瘍細胞は退縮したとしてもわずかに腫瘍細胞が生存していればやがて再発は免れない。そのため高感度でなおかつ特異性の高い腫瘍細胞検出技術の開発は悪性リンパ腫・白血病細胞の治療・再発予防にとって急務である。我々は造血器腫瘍特異的に高頻度に生じるDNAメチル化による特定遺伝子の発現抑制を発見した。とりわけ幾つかの悪性リンパ腫・白血病において複数の遺伝子群のメチル化プロファイルを解析し、病態の進展に伴い次々と遺伝子群がメチル化により発現抑制されるCIMP (CpG island methylator phenotype)が観られるようになるこることを明らかにし、これをマーカーとして病態をモニターすることが可能であることを明らかにした。またそれぞれの病期特異的にメチル化される遺伝子を同定し、それらをマーカーとして用いメチル化プロファイルを解析することにより高感度・高精度に病態の進展をモニターすることが可能であることを明らかにした。また低悪性度リンパ腫の病態の変化を患者検体を用いることによって解析し、感染が特定の遺伝子のメチル化を誘導し、低悪性度リンパ腫の発症・進展に関与していることを明らかにした。またこれらの遺伝子群を解析することで病態を早期発見・早期診断することが可能であることが明らかとなった。
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