研究課題/領域番号 |
17590319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
石井 寿晴 東邦大学, 医学部, 教授 (30101893)
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研究分担者 |
石川 由紀雄 (石川 由起雄) 東邦大学, 医学部, 講師 (30276894)
伊藤 金次 東邦大学, 医学部, 助教授 (40057758)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 泌尿器 / リンパ管 / 癌 / リンパ節転移 / 免疫組織化学 / LYVE-1 / D2-40 / 腎細胞癌 / リンパ管浸潤 / リンパ管増生 / CD34 / VEGF-C / 前立腺 / 腎臓 / 腎疾患 |
研究概要 |
平成17年度 腎組織中のリンパ管の分布に関しては、不明の部分が多く、従って各種の病態下における変化についても知られていなかったが、今回の免疫組織化学的観察により、これらを明らかにし得た。1.正常腎においては、リンパ管は葉間動静脈、弓状動静脈周囲の周囲の間質中に豊富に認められるが、腎皮質の糸球体周囲や尿細管周囲の間質には散在性に認められるのみであった。髄質には、殆どリンパ管の存在は認められなかった。2.腎臓癌においては、リンパ管は腫瘍辺縁に明瞭に存在しているが、毛細血管は腫瘍の中にも豊富に認められ、リンパ管は腫瘍周囲の繊線維性の間質中に増加を認めた。3.リンパ管は他の病態下でもみられるが、特に週末腎においては、密度の増加が顕著であった。 平成18年度 腎臓癌の予後を決定する因子として所属リンパ節への転移は重要な意味を持つ。そこで、リンパ管、毛細血管の両者を免疫組織化学により、明確に識別をした後に、所属リンパ節転移を説明し得る組織学的な特徴の把握を試みた。所属リンパ節に転移をみた16例と転移のない60例を用いて、各種の指標について比較検討した。1.リンパ管密度は腫瘍周囲で増加を示しが、リンパ節転移の有る群、無し群の間では差はみられなかった。リンパ管の増殖因子と考えられるVEGF-Cも同様の態度を示した。2.両群の比較では、リンパ節有り群は、腫瘍の大きさ、組織型、腫瘍細胞型、腫瘍の増殖様式、腫瘍細胞の核異型度、静脈侵襲、リンパ管侵襲で、差をみたが、多変量解析によると、リンパ管侵襲のみが有意な要因として抽出された。結果として、リンパ節転移を予測し得る所見としては、腫瘍周囲におけるリンパ管侵襲が大きな意味を持つことが判明した。3.平成16年度に出願していたリンパ管内皮細胞のビアルロナンレセプターに対する抗体である、LYVE-1抗体の特許が受理された。
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