研究課題/領域番号 |
17590324
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
本間 尚子 財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70321875)
|
研究分担者 |
田久保 海誉 東京都老人総合研究所, 研究部長 (00154956)
秋山 太 癌研究会癌研究所, 乳腺病理部, 研究副部長 (50222550)
坂元 吾偉 癌研究会癌研究所, 乳腺病理部, 研究部長 (80085620)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 乳癌 / エストロゲン・レセプターβ / エストロゲン・レセプターα / プロゲステロン・レセプター / HER2 / ホルモン療法 / 予後予測因子 / エストロゲンレセプターβ |
研究概要 |
乳癌の臨床上、estrogen receptor(ER), progesterone receptor(PgR)の免疫組織化学的検索は必須だが、第2のER、ER-βの検索意義は世界中で種々の検討がなされているにもかかわらず未だ不明である。この点を明らかにするために、信頼性の高い複数の市販抗ER-β抗体を用いた大規模な研究を行った。治療条件を揃えるため、術後tamoxifen(抗estrogen剤)単独補助療法後、長期予後の明らかとなった乳癌症例442例(29-81歳、観察期間0.5-19.4年・中央値11.1年)を対象とした。抗ER-β抗体4種(抗ER-β1、抗ER-βcx、抗ER-βN末端モノクローナIL、抗ER-βN末端ポリクローナル)、抗ER-α(従来のER)抗体、抗PgR抗体、抗HER2抗体を用いた免疫糸織化学的検索を行った。ER-β発現はいずれの抗体を用いた場合でも予後良好因子であったが、最も顕著に予後を反映したのは抗ER-β1抗体であった。ER-β1は、現在一般的に用いられている諸予後因子を考慮した多変量解析を行っても独立した予後因子であった。またER-β1発現状況による予後の差は、ER-α陰性/PgR陰性癌およびtriple-negative(ER-α陰性/PgR陰性/HER2陰性)癌で顕著であった。閉経状況による比較では、閉経後でのみER-β1発現状況による有意な予後の差が認められた。ER-β1の免疫組織化学的検索は、少なくともtamoxifen単独補助療法後乳癌の長期予後予測に極めて有用であり、臨床的に強く望まれる。特に、現在ホルモン療法の適応外とされているER-α陰性/PgR陰性癌およびtriple-negative癌における今回の結果は、今後の乳癌治療に一石を投じるものと考えられる。
|