研究課題/領域番号 |
17590336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
越川 直彦 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70334282)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | MT1-MMP / HB-EGF / EGF-R / Heparin-binding domain / プロテオリシス / 細胞外マトリックス / MS |
研究概要 |
Heparin-binding EGF-like Growth factor(HB-EGF)はEGFファミリーに属する増殖因子であり、細胞膜結合型で発現し、ADAMファミリーのプロテアーゼにより切断されて遊離する。この可溶性のHB-EGFはパラクラインの増殖因子として働き、EGF受容体(EGF-R)に結合し、シグナルを惹起する。そのため、HB-EGFを膜型から可溶型に変換するADAMファミリーのプロテアーゼよるsheddingはHB-EGFの増殖因子としての活性制御に重要と考えられている。一方、HB-EGFのN末端側のプロセシングは以前にいくつかの報告がされたが、HB-EGFの機能に影響を与えないことが報告されている。今回、我々は膜型MMP(MT1-MMP)がHB-EGFのN末端を切断すること、さらに、MT1-MMPによるHB-EGFのプロセシングはHB-EGF活性に影響を与えることを見出した。HB-EGFのEGFモチーフの上流にはヘパリン結合部位があり、HB-EGFがEGF-Rに結合するために、HB-EGFがヘパリンと結合する。そのため、塩基性アミノ酸で構成されるヘパリン結合部位がHB-EGFのヘパリン親和性に重要とされていたが、MT1l-MMPがヘパリン結合部位の上流を切断すると、ヘパリン結合部位を保持しているにも関わらず、HB-EGFのヘパリン結合性は有意に低下する。さらに、MT1-MMPでプロセシングを受けたHB-EGFはそのEGF-Rライガンド活性にヘパリンを必要としなかった。以上から、HB-EGFはADAMによるプロセッシングとMT1-MMPによるN端のプロセッシングを組み合わさることで、より効果的なヘパリン非依存的なEGF-Rリガンドとして機能を獲得することが明らかとなった。
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