研究課題
基盤研究(C)
1)本年度の申請書で目的とした骨髄内B細胞造血の制御機構を明らかにするため、B細胞造血を支持する環境(ニッチ)の量を一定と仮定して、分化段階がB細胞ではなく、さらに分化したプラズマ細胞により制御されている可能性を検討した。骨髄プラズマ細胞の抗原刺激による置き換わりとB前駆細胞の増減とのかかわりについて解析するため、骨髄プラズマ細胞数算出システムを完成した。抗原刺激によって分化誘導された脾臓プラズマ細胞の一部は骨髄へ遊走するが、この際、Flt3への刺激を阻害すると、骨髄への遊走が抑制された。Flt3シグナルとケモカインSDF1/CXCL12シグナルの関連を検討したところ、Flt3からのシグナルが脾臓プラズマ細胞上のCXCL12の発現を抑制し、これが脾臓からの遊離を引き起こす可能性を示した(投稿準備中)。現在、一次免疫で遊走するプラズマ細胞が欠損するBtk異常マウスと免疫記憶機構の欠損CD40Lノックアウトマウスを用いて更なる検討を行っている。2)血液細胞の増殖・維持について検討するために、血液幹細胞における・-カテニンの役割について検討した。その結果、強制発現させた・-カテニンにより、血液幹細胞および未熟な多能性血液前駆細胞の増殖が増加し、また寿命の長期化が誘導されることを明らかにした。このことは、・-カテニンの発現を増減する造血環境により、血液幹細胞の数も決定されている可能性を示している(J.Immunol.,177:2294-2303,2006)。3)多能性幹細胞の性質を普遍化するために、神経堤細胞系譜を選択し、歯周組織における多能性細胞の存在と由来について検討した。(Stem Cells,25:78-87,2007)
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すべて 雑誌論文 (26件) 図書 (3件)
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