研究課題/領域番号 |
17590347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
原田 孝之 島根大学, 医学部, 教授 (90112135)
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研究分担者 |
大平 明弘 島根大学, 医学部, 教授 (00169054)
中野 晃伸 島根大学, 医学部, 助教 (70263514)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,740千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | AMSマウス / Nnal遺伝子 / 点突然変異 / 細胞死 / トランスフェクション / アポトーシス / ミュータント / 小脳性失調症 / Nna1遺伝子 / プルキンエ細胞 / 神経細胞死 |
研究概要 |
小脳性失調症と雄性不妊を主要症状とするAtaxia and Male Sterility(AMS)マウスの組織・細胞病理学的解析により、細胞死に関して様々な変化がこのマウスで起こっていることが明らかにされた。この研究の目的は、生化学的機能が未解明の疾患責任遺伝子Nna1の生物学的機能を、AMSマウスを用いて可能な限り明らかにすることである。1.Nna1遺伝子のasm変異は、cDNA2423塩基のG→C変異であり、これによる808番目アミノ酸のアルギニンからプロリンへの変化であった。変異mRNAの転写程度は正常対照と変わらないので、ミスセンス変異により翻訳後蛋白の不安定性が示唆された。このことは、FLAG標識cDNAのトランスフェクション実験によって確かめられた。2.小脳プルキンエ細胞はams変異により消失し、顆粒細胞はそれに伴って二次的にアポトーシスに陥る。この際細胞死の形態をいくつかの指標で観察すると、それらはこの2種類の神経細胞で異なっていた。3.アポトーシス調節機構を修飾すると、AMSマウスのプルキンエ細胞の全体死は影響を受けないが、他の神経細胞死は部分的に抑制されることが示された。2と3の結果は、様々な細胞死に対してNna1遺伝子の関与は間接的でありかつその仕方が異なることを示唆している。4.網膜光受容体細胞の光傷害の感受性がAMSマウスでは対照マウスと比較して高く、アポトーシスに陥りやすい。このことはNna1の機能発現が有害な傷害に対抗し、細胞の生存に必要であることを意味している。これまでの結果と合わせると、プルキンエ細胞の生存は100%Nna1に依存しているのに対し、他種の神経細胞のように部分的に依存している細胞があることが示された。Nna1の生物学的機能発現の程度が細胞種によって異なることがこの単一遺伝子の機能欠損が多彩な病変をもたらす原因と考えられた。
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