研究課題/領域番号 |
17590360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
杵渕 幸 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30244346)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 銅 / ウイルソン病 / 劇症肝炎 / CDld / ナチュラルキラーT細胞 / 過酸化脂質 / Invariant Vα14 / 自然免疫 / CD1d / 銅輸送ATPase / 複合遺伝子異常 |
研究概要 |
ウイルソン病は常染色体性劣性の銅代謝異常で、銅輸送体ATP7Bの遣伝子異常による。高親和性銅輸送体Ctrlにより肝細胞に取り込まれた銅は、ATP7Bと結合し小胞体輸送経路で胆汁に分泌される。あるいはアポセルロプラスミンに組み込まれてセルロプラスミンとなり全身に分配される。ウイルソン病では胆汁への銅分泌障害がおこる。 セルロプラスミン合成障害もおこることがある。結果として肝細胞に慢性に銅が蓄積して、つづいて脳への銅蓄積が起こる。銅は、はじめ肝細胞質にメタロチオネインと結合して蓄積し、多量になるにつれリソソームへ、あるいは核にも移行する。肝細胞傷害の主体は核とミトコンドリアの銅による酸化障害であり、肝硬変まで進行する。ところでウイルソン病の人症例とモデル動物のラットでは銅蓄積による慢性進行性肝傷害を背景にリンパ球の浸潤を伴う劇症型の肝炎を発症することがある。この免疫病態が解明されていなかったので、本研究を行っている。リンパ球浸潤を伴う肝炎発症時にウィルソン病患者の末梢血にはVα24陽性Vβ11陽性のナチュラルキラーT細胞が有意に出現した(この細胞のT細胞抗原レセプターはCDldに提示された抗原を認識するので以下CDld-NKT細胞と称する)。この時にCD3陽性CD161陽性の通常のNKT細胞に変化はなかった。ウイルソン病ラットにおいて黄疸発症時には単核球の浸潤と肝細胞壊死を広範囲にみとめる肝炎が存在した。この時点のラットにフローサイトメトリーにてTCRβの強い発現を認めるNKT細胞が出現した。このNKT細胞をソートして1)TCRαの塩基配列をシークエンスした結果はVα14-Jα2S1のCDld-NKT細胞だった。2)劇症肝炎未発症のウィルソン病ラットに移入しても劇症肝炎は誘発できなかった。さらに劇症肝炎発症時のラット肝細胞の膜脂質分画、あるいは銅負荷培養肝細胞の膜脂質分画にCDldを介して、すなわちCDldにロードされた抗原としてCDld-NKT細胞を活性化するものを発見することができなかった。
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