研究課題/領域番号 |
17590363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 肝再生 / 遺伝子治療 / オンコスタチンM / hepatoma-derived growth factor / オーバル細胞 / 肝幹細胞 / 肝再生医療 / Ws / Wsラット / microarray / シグナル シークエンス トラップ法 |
研究概要 |
肝再生におけるHDGF(hepatoma-derivedgrowthfactor)の関与を検討するために、F344ラットにAAF/PHモデルを施行してオーバル細胞の発生を促した肝臓におけるHDGFmRNAの発現をNorthernblot法を用いてしらべた。オーバル細胞の発生がみられた肝臓ではUDGFmRNAの強い発現を認めた。更に、insituhybridization法により、UDGFmRNAの発現はオーバル細胞に一致することがわかった。HDGFは肝発生ばかりでなく肝再生においても重要な役割を果たしていると考えられる。 OSM(OncostatinM)はIL-6ファミリーに属するサイトカインであり、OSM特異的受容体欠損マウスでは肝再生が遅延することが知られている。肝再生治療薬としてOSMが有用であることを実証するために、ジメチルニトロサミン(DMN)を投与して肝障害を惹起したラットにratOSMcDNAを導入し、肝障害に対するOSM遺伝子治療の効果をしらべた。OSM遺伝子投与群では、対照群に比べて、体重、肝重量、血清アルブミン値が有意に高値を示し、血清肝障害マーカーであるAST、ALT、ビリルビン値も有意に改善した。また、OSM遺伝子投与群では、対照群に比べて、肝細胞の増殖が促進されるとともに、肝細胞壊死、炎症細胞浸潤、肝線維化、肝細胞のアポトーシスが抑制された。更に、予めラットにOSM遺伝子を投与した場合でも、DMNによる肝細胞壊死の程度は軽減されることがわかり、OSMには肝庇護作用もあることが明らかになった。OSMは抗炎症性作用を示すばかりでなく肝細胞の増殖とアポトーシスを制御する因子であり、OSM遺伝子治療は肝障害の治療法として有用であると考えられる。
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