研究課題
基盤研究(C)
本研究では、薬剤耐性菌(特に多剤耐性結核菌、多剤耐性緑膿菌、およびMRSA)に対して抗菌作用を示す新規抗菌薬の開発を目指し、次に示した2つの課題に取り組み、以下のような成果が得られた。1 海洋性菌株由来抽出物(海洋サンプル)からのFtsZを標的とする抗菌物質の探索FtsZはGTPase活性を有すること、およびGTP存在下で重合し高次構造(Zリング)を形成することが知られている。それらの活性阻害を指標に、前年度確立した抗結核薬スクリーニング法を用いて約15,000検体の海洋サンプルを試験し、30検体において有意な活性阻害が認められた。際立って高い抑制効果がみられ、かつ細胞毒性が低かった検体に関しては、酢酸エチル分配および逆相HPLC等による分画精製を経てNMR解析により構造を決定した。その結果、いくつかの新規化合物を見いだした。現在は、それらの構造の最適化を目指し、特許出願を視野に引き続き研究を実施している。2 薬草およびハーブ抽出液からの抗菌物質の探索約100種類の薬草やハーブ抽出液を用いて、多剤耐性結核菌、MRSA、およびバンコマイシン耐性腸球菌に対する抗菌作用を試験した。得られた候補サンプルを精製し、構造を決定したところ、β-トリケトンが活性本態であることが明らかとなった。また、MRSAに対する最小阻止濃度(MIC)を測定したところ、最も抗菌活性の高い化合物では0.1μg/mlであった。このβ-トリケトンは、主にEucalyptusおよびLeptospermum属植物に含まれるマヌカオイル由来の稀少な天然成分であることから、トリケトンアナログの合成を試みた。その結果、合成したアナログ化合物においても、天然成分でのMIC濃度に匹敵する抗菌活性を有することが明らかとなった。
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