研究課題/領域番号 |
17590473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
小林 英幸 宮崎大学, 医学部, 助教授 (40148953)
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研究分担者 |
和田 明彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (30131949)
柳田 俊彦 宮崎大学, 医学部, 助手 (60295227)
横尾 宏毅 宮崎大学, 医学部, 助手 (30332894)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脳微小血管 / アクアポリン / 内皮細胞 / 脳浮腫 / ラフト / 糖質コルチコイド / アグリン / 発現調節 / アストロサイト / 網膜 |
研究概要 |
血液と脳との水の透過性を調節している分子としてアクアポリン(AQP)水チャネルの発現・局在調節機構を解析し、その病態生理学的意義を明らかにしようとした。 培養脳微小血管内皮GP8細胞のAQP1の発現は、脳浮腫治療薬の糖質コルチコイドによって、遺伝子の転写が増加することにより、濃度依存的・時間依存的に増加した。また、AQP1は、膜の脂質ミクロドメインであるラフトに存在し、その細胞内輸送には脂質との相互作用が重要であること、また糖質コルチコイドによる脳浮腫改善効果は、AQP1の発現上昇と関連する可能性が示唆された。 また、AQPの局在化を調節している分子として、細胞外マトリックスタンパクであるアグリンの解析を行った。脳微小血管に発現している主な型は、N-末の長い(LN)アグリンで、そのN-末の配には、脂溶性アミノ酸に富むシグナル配列が存在しており、LNアグリンN-末-GFP融合蛋白は、細胞外へ分泌された。よって、脳微小血管に発現している分泌型のLNアグリンが、脳微小血管とアストロサイトの接触面のAQPの局在を調節していることが示唆された。 また、中枢神経系の浮腫形成におけるAQPの役割を調べるため、内毒素誘発ぶどう膜炎による網膜浮腫形成とAQPの発現変化の関係を調べた。微小血管に面したミュラー細胞のAQP4発現は、ラット眼球に内毒素を投与後、軽度減少した後、回復した。一方、カリウムチャネルKir4.1は、投与後1/2以下に減少し、2週後でも40%減少したままであった。これらのことより、AQP4とKir4.1の異なった発現量の変化が、神経系の浮腫形成に関与している可能性が示唆された。 これらのことより、神経系におけるAQPの発現および局在化の調節を調節する薬物が、新たな脳浮腫の治療薬となりうる可能性が示唆された。
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