研究課題/領域番号 |
17590477
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
川合 眞一 東邦大学, 医学部, 教授 (70129401)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,810千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | apoptosis / NSAIDs / celecoxib derivative / TT101 / colon cancer / synovial fibroblasts / HT-29 / SW480 / celecoxib |
研究概要 |
関節リウマチは滑膜細胞の異常増殖とそれに伴う関節破壊を主病変とした疾患である。一方、悪性腫瘍も同様に細胞の異常増殖と正常組織の破壊を伴う疾患である。申請者は既に平成14-16年度の科学研究費補助金などにより、グリタゾン系の薬物や非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の一部には滑膜細胞に対してアポトーシスを誘導することにより増殖能を抑制する作用があり、PPARγ活性化が関係することを見出した(J Pharmacol Exp Ther 2002;302:18-25)。さらに、NSAIDの中でも、選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬の1つであるセレコキシブは、滑膜細胞(Arthritis Rheum 2002;46:3159-3167)や大腸癌細胞(FEBS Lett 2002;531:278-284)に対して、特異的かつ強力にアポトーシスを誘導することを発見した。それらの検討の中で、我々は東京工業大学・半田宏教授らとの共同研究によりいくつかのセレコキシブの誘導体を作製し、より強力にアポトーシスを誘導する新規薬物(TT101)を開発した。このTT101は、滑膜細胞に対して、セレコキシブよりも強力にアポトーシスを誘導することを、今回の科研費研究により明らかにした(J Pharmacol Exp Ther 2005;314:796-803)。一方、セレコキシブは家族性大腸腺腫症患者の大腸ポリープ数を減少させ、さらに大腸ポリープ摘出後の再発を予防する効果が、共に海外のプラセボを対照とした臨床試験で証明されている。また、大腸腺腫は前癌状態としての意義も指摘されている。申請者らは、大腸癌の細胞株であるHT-29およびSW480に対するTT101の効果を検討した。その結果、TT101は、HT-29およびSW480に対しても、滑膜細胞と同様に、セレコキシプの約10倍強力なアポトーシス誘導作用を発揮することを明らかにした(Anticancer Res 2006;26:3229-3236)。しかし、これらの作用機序の詳細の検討は未だ不十分であり、今後の研究課題と考えている。また、これらの検討結果を踏まえ、小動物を用いたin vivoの研究に進めるために、TT101の合成法を改良するなどを計画している。
|