研究課題
基盤研究(C)
β2マイクログロブリンのc末のアミノ酸92-99番目を認識する抗体を作成し、その透析アミロイド症における臨床的意義、小胞体ストレスとの関係について検討した。得られた、β2マイクログロブリンのc末のアミノ酸92-99番目を認識するモノクローナル抗体(mAbβ2MG92-22)は、通常の立体構造を示すβ2MGとの反応は非常に軽微で、β2MG92-99のペプチドに非常に特異性の高いものであることを確認した。β2MGタンパク、アミロイド化β2MGにてmAbβ2MG92-22との反応性を検討したところ、中性状態の正常の立体構造に近いβ2MGは、mAbβ2MG92-22とほとんど反応がなかったものの、酸化状態にするとわずかに反応性がみられた。また、アミロイド化β2MGは、mAbβ2MG92-22の抗体にて非常に強い反応性があることがわかった。正常の立体構造のβ2MGは、c末がタンパク内部にかくれており、アミロイド化することにより、立体構造変化し反応するようになったと考えられる。単球系の細胞において、温度刺激、浸透圧刺激、ラジカル刺激などにおいて、mAbβ2MG92-22に反応するβ2MGが増加することがわかり、種々の刺激で折れ畳異常のβ2MGが増加していることが確認された。同様の刺激で、小胞体ストレスの度合いをみたところ、小胞体ストレスも上昇していることが分かった。また、透析アミロイド症患者からとられた手根管組織の検討において、β2MGの沈着、アミロイド化、mAbβ2MG92-22の反応性について、組織学的検討をおこなったところ、β2MGの沈着がすべてアミロイド化繊維と一致しなかったが、mAbβ2MG92-22の染色される部分はアミロイド化が起こっているところが大部分であった。
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