研究課題/領域番号 |
17590500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 高明 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80198720)
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研究分担者 |
馮 国剛 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70351111)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | エンドトキシン / 薬物トランスポーター / 有機アニオン輸送系 / 腎排泄 / 胆汁排泄 / 乳がん耐性たん白 / Bcrp / 有機アニオン輸送担体 / TNF-α / 6-メルカプトプリン |
研究概要 |
本研究では、マウスを用いて、薬物トランスポーターBcrpの肝臓における発現量と輸送能に対するエンドトキシンの影響およびサイトカインの関与について検討した。 エンドトキシン(10mg/kg)投与6及び24時間後、肝臓を摘出し、Bcrp発現量をWestern blot法および蛍光免疫染色法を用いて、Bcrp発現量を評価した。またエンドトキシン投与6及び24時間後に、Bcrpの基質であるミトキサントロン(MTX)の定常状態における胆汁排泄能の変化を評価した。さらにIL-1βおよびIL-6を腹腔内投与し、Bcrp発現量、分布および機能についても同様な方法で検討を加えた。 エンドトキシン投与6および24時間後のMTXの胆汁クリアランスは、それぞれ約30%および75%低下し、この低下は時間依存的であつた。エンドトキシン投与24時間後のBcrpの発現量は約40%低下し、その低下も時間依存的であった。Bcrpの発現量を蛍光免疫染色法で検討したところ、Western blot解析による発現量とほぼ一致する結果が得られた。エンドトキシン投与後の血漿中IL-1βおよびIL-6の濃度を測定した結果、いずれもエンドトキシン投与6時間以内に最高血中濃度に到達し、24時間後においても最高血中濃度の約40%の濃度を維持していた。MTXの胆汁排泄に及ぼすIL-1βおよびIL-6の影響を検討したところ、IL-1P(2500、10000および50000U/マウス)はMTXの胆汁クリアランスに影響を与えなかったが、IL-6はいずれの投与量においてもMTXの胆汁クリアランスを有意に低下させた。IL-6の投与によりMTXの胆汁クリアランスが低下したことから、肝Bcrpの発現量をWestern blot法および蛍光免疫法で検討したところ、50000U/マウスのIL-6投与群においてのみ、肝Bcrpの発現量が有意に低下し、この結果は蛍光免疫染色の結果とよく一致した。以上の結果より、エンドトキシンは肝胆管側細胞膜に発現している薬物トランスポーターBcrpの発現量を低下させることによってMTXの胆汁排泄を低下させること、この低下にはエンドトキシンによって過剰に産生されるIL-6が一部関与していることが示唆された。
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