研究分担者 |
鈴木 慶三 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助教授 (70348134)
平山 宗宏 (平山 宗弘) 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (30009899)
笠井 直美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20255243)
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所行動疫学部門, 教授 (50114046)
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研究概要 |
予備調査として「気分の調節不全傾向」尺度の信頼性・妥当性の検討を行った.中学生男女1-3年生478名,高校生女子1年生76名から回答が得られた.「気分の調節不全傾向」陽性率は中学男子で2.9%,中学女子で7.6%,高校女子では9.2%であった.併存的妥当性については,特に女子において抑うつ尺度とDSDと摂食尺度EAT26との関連性が強く,これらの指数との全般的な構造的な関係から構成概念妥当性においても,ほぼ十分な結果が得られた.内的整合性に基づく信頼性の係数も十分に高く,信頼性においても問題なく使用できることが示唆された. 2年目は,「気分の調節不全傾向」尺度とライフスタイルとの関連を調べるための本調査を実施した.群馬県教育委員会の協力のもと,調査群として群馬県下の2つの定時制・通信制高校生徒523名に,「気分の調節不全」項目とライフスタイル項目を併せた無記名の質問紙調査を行った.また,埼玉県教育委員会の協力のもと,対照群として埼玉県下全域の小学校児童(4-6年生)1060名,中学校生徒1092名,高校生(1,2年生のみ)749名に調査を行った.調査群において,「気分の調節不全傾向」とライフスタイル指標との関連を調べたところ,就寝時刻では午前0時を過ぎると陽性率が高く,起床時刻では午前7時ごろに陽性率のピークが見られた.調査対象者が,フレックスの授業時間を採択できる定時制・通信制の高校生であることが,一つの原因と考えられる.目覚め感が悪く,睡眠不足感を抱くものが予想通り陽性率が高かったが,その反面,朝食習慣による違いはあまりはっきりしなかった.一般の対照群では,「気分の調節不全傾向」とテレビゲームやインターネットへの依存傾向との間に強い関連が見られた. このように児童生徒において,食事や睡眠といった生活習慣と気分のコントロールの障害の間に一定の関連のあることが示された.
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