研究課題/領域番号 |
17590559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
山田 裕一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70158228)
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研究分担者 |
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (10184516)
本多 隆文 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (60097441)
登坂 由香 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90288275)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,860千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 飲酒 / 喫煙 / 血圧 / 腎機能 |
研究概要 |
飲酒がヒトの高血圧の重要な原因であることはよく知られているが、その腎機能への影響については明らかでない。一方、喫煙は種々の腎疾患のよく知られた憎悪因子であるが、喫煙が血圧へ与える影響については十分確定されておらず、喫煙は悪性高血圧患者での血圧上昇因子の一つとされる一方で、多くの疫学調査では喫煙者の血圧はむしろ低いことも示されている。本研究は、中年健常男性労働者において、飲酒、喫煙がその腎機能に及ぼす影響と、そのことの高血圧、腎障害への関与について明らかにしようとしたものである。 中年男性の飲酒者、喫煙者ではともに血清クレアチニンの濃度が低かった。特に喫煙量の増加とCockcroft and Gaultの式から推定された腎糸球体濾過量の増大とが有意の関連性を示した。このことから、喫煙が全身および腎の循環動態に大きな影響を与え、腎糸球体濾過量を増大させることで尿中クレアチニン排泄が増大し、血清クレアチニン濃度が低下を示すと考えられた。さらに、喫煙者での腎糸球体濾過量の増大は全身血圧の上昇と有意な直線的相関関係を示した。これは喫煙者でのきわめて特徴的な所見である。 喫煙者での糸球体濾過量の増大には、喫煙による直接的影響とともに、血清インスリンの上昇も関与している可能性もあると考えられた。また、喫煙による糸球体濾過量の増大と血圧上昇とがあいまって、尿中アルブミン排泄量の増大に関与していることが示唆された。 一方、飲酒者も低い血清クレアチニン濃度を示すが、飲酒量の糸球体濾過量増大への影響は有意でなく、その生物学的な意味は大きくないと考えられた。 これらの結果から、喫煙は循環動態に大きな影響を与え、腎糸球体濾過量の増大させる一方で全身血圧上昇をもたらし、それが喫煙者での腎障害の発生に深く関わっている可能性があると考えられた。
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