研究概要 |
平均BMIは男女ともハワイ在住日系人の方が日本人に比べて大きかった(男:23.4±2.8 vs 28.1±4.7 kg/m2,P<0.0001;女:23.4±3.0 vs 25.9±5.4 kg/m2,P<0.0001)。興味深いことに身長は全くと言えるほど差がなかった。男性の平均飲酒量と喫煙頻度は日本人であるかに高かった。血清LDL コレステロール値、トリグリセリド値は男女ともハワイ在住日系人の方が日本人に比べて高かった。男性において収縮期血圧、拡張期血圧とも日本人で高かったが、降圧薬非服用に限ると両地域で差はなかった。平均HbAlcは男女ともハワイ在住日系人の方が日本人に比べて高かった。また、メタボリックシンドロームの有病率は男女ともハワイ在住日系人の方が日本人に比べて高かった(男:3.9% vs 23.2%,P<0.0001;女:2.3% vs 9.7%,P=0.012)。平均血清アディポネクチン値は男女とも日本人の方がハワイ在住日系人比べて高かったが(男:8.1±3.8 vs 6.7±3.2μg/ml, P=0.003;女:12.9±6.1 vs 9.3±4.2μg/ml, P<0.0001),BMI≧28kg/m2の対象者に限ると差が消失した(男:P=0.16、女:P=0.40)。 回帰分析を用いて血清アディポネクチン値の規程因子を調べたところ男性においてはBMI、HDLcと飲酒量が規定し、地域差(Site)は有意でなくなった。一方女性における血清アディポネクチン値の規程因子は年齢、BMI、HDLc、総エネルギー摂取量および地域差(Site)であった。すなわち身体計測値と血液検査結果からは両地域の血清アディポネクチン値の差を説明することが不可能であった。
|