研究課題/領域番号 |
17590648
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
赤田 純子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30346548)
|
研究分担者 |
赤田 倫治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20201882)
中村 和行 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90107748)
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 准教授 (60322244)
西川 潤 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00379950)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,680千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | CagA / Helicobacter pylori / 酵母 / エンドサイトーシス / VacA / GEEC pathway / 胃疾患 / 持続感染 / 酵母遺伝学 |
研究概要 |
CagAとVacAはピロリ菌の病原性発現において重要である。VacAは菌体外に分泌される細胞空胞化毒素であり、CagAは菌体より直接胃上皮細胞に注入され細胞機能を撹乱するエフェクター蛋白である。我々はCagAの未知の機能を明らかにするために、細胞モデルとして遺伝学的解析が可能な酵母細胞を用いて解析を開始した。酵母内でCagAを発現させると生育阻害をおこすこと手がかりに、酵母遺伝子破壊株セットを用いてそのCagA活性を抑制する遺伝子を検索し、エンドサイトーシス関連遺伝子が関与する可能性が推測された。続いて、酵母内で発現させたCagAがエンドサイトーシスを阻害すること、さらに培養細胞において発現させたCagAが、リピッドラフト依存性エンドサイトーシスを阻害し、宿主細胞へのVacAの取り込みを阻害することを見出した。さらにピロリ菌と培養細胞の共培養条件下において、感染の場におけるCagAとVacAの役割を検討した。ピロリ菌CagA遺伝子欠損株、VacA遺伝子欠損株、両遺伝子欠損株を作成し、野生株と共にAGS細胞との共培養を行った。CagA欠損株はCagAを保有する野性株に比べてVacAによる細胞空胞化が有意に高かった。野性株とCagA欠損株のVacA分泌量はほぼ同程度であったが、細胞内に取り込まれたVacAの量はCagA欠損株のほうがより多かった。したがって、ピロリ菌により細胞内に注入されたCagAは、分泌されたVacAが細胞内に取り込まれる量を制限することでVacAによる細胞障害を抑制し、CagAを保持する胃上皮細胞の維持に寄与していると考えられた。CagAはVacAだけでなくデキストランのエンドサイトーシスも抑制していたため、リピッドラフト依存性経路の中のGEECsエンドサイトーシス経路を抑制していることが示唆された。
|