研究課題/領域番号 |
17590692
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
川村 希代子 千葉県がんセンター(研究所), 病理研究部, 主席研究員 (80260248)
|
研究分担者 |
田川 雅俊 (田川 雅敏) 千葉県がんセンター(研究所), 病理研究部, 部長 (20171572)
山口 武人 千葉大学, 医学研究院・腫瘍内科学, 講師 (00241969)
税所 宏光 Chiba University, Graduate School of Medicine, Department of Medicine & Clinical Oncology, Professor (10092058)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 転写調節 / アデノウイルス / CAR / CD46 / 膵がん / NF-1 / 腫瘍プロモーター / E1 / CD45 / ウイルス増殖 / 腫瘍融解性ウイルス / シャトルベクター / E3ファイバー領域 / 細胞受容体 |
研究概要 |
アデノウイルスは細胞傷害活性があり、感染した細胞を融解させることが可能である。従来より用いられているアデノウイルスはタイプ5型に属し、細胞受容体は主にcoxsackievirus-adenovirus receptor (CAR)である。しかし、膵がんをはじめとする消化器がんにおいては、CAR分子の発現が著しく低下していることがあり、その場合タイプ5型ベクターによる外来遺伝子の発現は低下する。そこで、消化器がんにおいて比較的高発現をみるCD46分子を受容体とする、サブタイプB2に属するタイプ35型ウイルスの受容体結合部位を使用すれば、当該腫瘍において高率の遺伝子発現が期待できるはずである。受容体結合部位はアデノウイルスのE3およびE4領域にあるファイバー・ノブ領域にコードされているので、当該領域をタイプ5型から35型へと変換したベクター系を構築した。しかも、初期転写調節領域でありE1領域の遺伝子を外来性の腫瘍プロモーターで制御できるベクター系も併せて構築した。このベクターを用いて遺伝子導入効率を検討すると、膵がんにおいては、他の腫瘍とは異なり、CAR発現レベルとタイプ5型、CD46発現レベルとタイプ35型の遺伝子導入効率は、かならずしも一致しなかった。さらに、腫瘍で高発現をみるサバイビン、ミッドカイン、COX-2遺伝子の転写調節領域でE1発現を制御するウイルスを作製したところ、変換型のウイルスは低CAR発現の腫瘍に対して、対応するタイプ5型より強い殺細胞効果を示したが、高CAR発現の細胞に対する殺細胞効果はタイプ5型とほぼ同様であった。また、感染細胞におけるE1A蛋白の発現レベルと、殺細胞効果とは必ずしも一致せず、同効果は各細胞のウイルス増殖を規定するNF-1等の因子によって左右される可能性が示された。
|