研究課題/領域番号 |
17590713
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
池主 雅臣 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (40303151)
|
研究分担者 |
古嶋 博司 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (10377161)
田邉 靖貴 (田辺 靖貴) 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30419311)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 心室細動 / 不整脈 / 交感神経 / 迷走神経 / M細胞 / 心筋M細胞 |
研究概要 |
重症不整脈の実験モデルを心室貫壁性にマッピングして、抗不整脈効果と催不整脈作用に関わる修飾要因について自律神経興奮を中心に検討した。以下に主な知見を示す。 1.心室性不整脈の実験モデルにおいて、心室の再分極時間が延長して伝導障壁のピークが形成される領域はほぼ一定しており、独特な電気生理学的特徴を有する心筋(M細胞)が解剖学的に密に分布する部位が存在すると考えられた。 2.Anthopleurin-A(AP-A)モデルでは、心室性不整脈に対する交感神経緊張の効果は強度によって2相性の反応を示した。低用量エピネフリン負荷または弱い星状神経節刺激では不整脈が誘発されず、心室の再分極分布の不均一性も是正された。刺激強度を上昇させると早期興奮の伝搬がM細胞層で伝導ブロックを生じて心室細動が誘発された。 3.マグネシウムの抗不整脈効果をアトロピンとβ遮断薬による薬理学的自律神経遮断の前後で比較した。マグネシウムは薬理学的自律神経遮断の有無に関わらず、心室内不応期の不均一分布を改善し、また心室細動のトリガーとなる早期興奮も抑制した。AP-Aモデルの頻発していた不整脈はマグネシウムで抑制された。 4.ベプリジルモデルとE4031モデルで心拍変動による心室再分極時間の変化を比較した。近似式におけるARI_<max>とCL50はE4031モデルの方が大きく、ベプリジルの逆頻度依存性特性はE4031よりも弱いと考えられた。E4031モデルは急速に交感神経緊張を加えると早期興奮から心室細動が発症した。ベプリジルモデルでは早期興奮が抑制されて心室細動の発症も減少した。 5.ジゾピラミドとベプリジルは迷走神経緊張による心房の活動電位持続時間の短縮を減弱させて、心房細動に治療効果を示した。抗不整脈薬による自律神経興奮の修飾は、体表面心電図の心拍変動をスペクトル解析することで推定できる。
|