研究課題/領域番号 |
17590718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
漆田 毅 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20334980)
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研究分担者 |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
渡邊 泰秀 (渡辺 泰秀) 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50305380)
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80314029)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50252177)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ナトリウム利尿ペプチド / 細胞内カルシウム / 細胞内ナトリウム / Na^+ / Ca^<2+>交換機構 / 心室筋細胞 / Na / Ca交換機構 |
研究概要 |
ナトリウム利尿ペプチドホルモン(ANP、BNP、CNP)による心保護作用は、Na利尿作用、血管拡張作用、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の抑制作用、血管新生作用などがしられている。一方、不全心では心臓局所のRAAS系が活性化しており、心筋細胞の肥大や線維化、活性酸素の産生、アルドステロン産生によるRAAS系に対する正のfeedbackにより、悪循環を形成することが知られている。ANPやBNPは、心筋における局所RAAS系を抑制し、直接的な心保護作用を発揮する可能性が指摘されており、細胞内Ca^<2+>過負荷の軽減作用により心保護作用を発揮する可能性がある。過剰な細胞内Ca^<2+>抑制については、RAAS系の抑制の他にcyclicGMP(cGMP)を介した.L-型Ca^<2+>チャネル電流抑制作用や筋小胞体Caポンプ活性化などによる細胞質Ca^<2+>濃度低下作用等が考えられ、この際のNa^+/Ca^<2+>交換機構やNa^+1H^+交換機構への影響を含めたCa^<2+>調節機構は興味深い。 平成17年度は、正常モルモット心筋細胞において、ANP・BNPの細胞内Ca^<2+>transientと収縮に及ぼす効果をKB-R7943,SEAO400,など、Na^+/Ca^<2+>交換に特異的な阻害薬を使用し、Na^+/Ca^<2+>交換との関連において相互作用を検討したが、利尿ペプチドにおける変力作用の有意な変化は得られなかった。 平成18年度は、Na^+/Ca^<2+>交換阻害薬のひとつであるSEAO400を用いたラット虚血/再灌流心において、エネルギー代謝や収縮を回復及び促進させる効果が認められ、ANPはこの効果を助長し、細胞内アシドーシスを予防する傾向を示したが、不全心細胞における同様の効果は、検討中である。 今回の研究により、Na利尿ペプチド(ANP・BNP)は、虚血再灌流心や心不全細胞におけるCa^<2+>代謝異常に対して、Na^+/Ca^<2+>交換機構およびNa^+1H^+交換機構を介した心保護作用を有する可能性が示された。今後我々は、Na利尿ペプチドの臨床応用への可能性を踏まえて、さらに検討する予定である。
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