研究課題/領域番号 |
17590741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大森 浩二 香川大学, 医学部, 准教授 (00263913)
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研究分担者 |
河野 雅和 香川大学, 医学部, 教授 (20153489)
四宮 かおり 香川大学, 医学部, 助教 (70380160)
竹内 浩人 香川大学, 医学部, 助教 (90372721)
松本 義人 香川大学, 医学部, 助手 (80311827)
藤田 憲弘 香川大学, 医学部, 助手 (40322268)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 微小気泡 / 超音波 / 血管新生 / 白血球 / 課粒球コロニー刺激因子 / 側副血管 / 音圧 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 炎症 / 超音波診断 / 粥腫 |
研究概要 |
粥状動脈硬化巣の病勢はその炎症の活動性に依存する。そこで超音波造影法による炎症の画像化について検討した。まず、血流の維持された2種類のラット腎炎モデルに適用した。微小気泡(MB)の静注後、これが白血球に貪食される時間(10分間)の後、通常の診断用音圧で腎臓を撮像し、灌流画像との差分をとると、炎症巣に停留したMBからの信号のみを抽出し得た。信号は、虚血再灌流モデルでは、髄質に、糸球体腎炎モデルでは皮質に分布し、免疫染色による白血球の分布様式と一致した。また、信号強度は、それぞれクレアチニンクリアランス、尿蛋白量といラ病勢の指標と相関を示した。通常の装置であっても、撮像時期の工夫により、炎症巣の病勢を評価できると結論できた。次に、粥腫を模した血管密度が低い炎症巣のモデルとして、マウス後肢虚血モデルに適用した。その結果、同様の装置・方法で、明らかな染影が得られた。ところが、安全性の検討において、一部の毛細血管が破綻し、これに反応して白血球浸潤が促進されることが判明した。かかる副作用を避けるには、低音圧でしかも白血球に貪食されたMBの微弱な反応を検知しうる高感度の装置の開発が必要と思われた。一方、この副作用の治療的意義の検討に研究を発展させた。すなねち、白血球は内皮細胞成長因子を分泌することから、白血球を増加・刺激する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を用いた血管新生療法が研究されている。そこで、本法の白血球増加作用の血管新生に及ぼす効果を検討した。その結果、単独で効果を示しうる最小量のG-CSFを本法の24時間前に投与すれば、組織白血球数、毛細血管密度、側副血管数のいずれも有意に増加させ得ることが明らかになった。このように、本研究では、超音波造影法による粥腫などの炎症病変の病勢評価における安全性に関する今後の課題が明らかになる一方、その副作用の治療への応用の可能性が示された。
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