研究課題/領域番号 |
17590781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺本 信嗣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282629)
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研究分担者 |
山本 寛 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10361487)
山口 泰弘 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60376473)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / CPAP / 動脈硬化 / 血管内皮機能 / 自律神経障害 / 高感度CRP / メタボリックシンドローム / 呼吸生理学 |
研究概要 |
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者では、高血圧、心疾患、脳血管疾患が増加する。SASは、動硬化の原因として注目される(J Intern Med 2003;254:32-44.)。SASは肥満、特に内臓脂肪型肥満との関連が指摘されメタボリック症候群と関連が深い。SASでは、高サイトカイン血症がみられ、血漿TNF、IL-6などの高値と高感度CRPが上昇する。そこで、無呼吸と内臓脂肪肥満、インスリン抵抗性、糖尿病との関連を検討し、鼻持続陽圧呼吸(鼻CPAP)治療がこれらの病態を修飾するか否かを検討した。2000例以上のSAS患者を登録し、年齢、肥満度をマッチさせた無呼吸のない対照群と無呼吸患者とで耐糖能障害(OGTT異常)、糖尿病(空腹時血糖126mg/dl以上、HBA1C 6%以上)頻度を比較した。さらにHOMA=GOIO/22.5を指標としてインスリン抵抗性を検討した。さらに長期のCPAP治療が心血管合併症、動脈硬化、生活習慣病の進展を予防する可能性を前向きに検討した。その結果、年齢、肥満度をマッチさせた無呼吸のない対照群に比べ無呼吸患者では、空腹時の血漿インスリン値、血糖値ともに高かった。無呼吸患者のほうが、無呼吸のない患者群とくらべ糖尿病頻度が高かった。CPAP群では、収縮期血圧144±12mmHgから134±10mmHgへ、平均血圧は118±6mmHgから110±5mmHgに低下した(p<0.Ol)。さらに、血管脈波速度(Pulse Wave Velocity ; PWV)が、無治療群が、3年後に1896±165から2006±185(cm/sec)に増加したのに対して、CPAP群では、3年後に1901±134mmHgから1441±134mmHg(cm/sec)へと有意の改善が得られた(p<0.05)。睡眠時無呼吸は、糖尿病のリスクであり、インスリン抵抗性を悪化させ、血漿adiponectin値は低下している。これらはいずれも、CPAP治療により改善し、抗動脈硬化ならびに心血管臓器障害進展阻止につながる可能性が示唆された。
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