研究課題/領域番号 |
17590799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
芦谷 淳一 宮崎大学, 医学部, 助教授 (50347069)
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研究分担者 |
中里 雅光 宮崎大学, 医学部, 教授 (10180267)
松元 信弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70418838)
柳 重久 宮崎大学, 医学部, 医員 (60404422)
小玉 剛士 宮崎大学, 医学部, 医員 (80404424)
京樂 由佳 (京楽 由佳) 宮崎大学, 医学部, 医員 (90404425)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 呼吸器感染症 / 抗菌ペプチド / 気道被覆液 / デフェンシン / 気道上皮 / インターロイキン-8 / 気管支肺胞洗浄液 / マイクロサンプリング / 緑膿菌 |
研究概要 |
本研究は、気道上皮細胞に存在する内在性抗菌ペプチドβデフェンシンの呼吸器感染症における病態生理学的意義を分子生物学的手法により解析することを主たる目的としている。この2年間の研究においては、我々がすでに確立していた手法を基盤として、以下のような重要な成果をあげることができた。1)βデフェンシンの亜型4に対する高感度ラジオイムノアッセイ法を確立し、呼吸器感染症の急性期と回復期の血中濃度を測定した。2)βデフェンシン4の気道内の局在を明らかにした。3)培養気道上皮細胞を用いて、LPSの刺激に対するβデフェンシン4の発現を解析した。4)βデフェンシン4の抗菌活性を検討した。以上から、βデフェンシンの亜型間で発現部位や血中動態、抗菌活性に相違があることが解明された。5)慢性下気道感染症の気道被覆液をマイクロサンプリング法にて回収し、気道局所におけるβデフェンシン1から4の発現を定量化した。慢性下気道感染症では気道局所でのβデフェンシンの発現が誘導されていることや緑膿菌感染においてムコイド型と非ムコイド型で発現に相違があることを解明した。6)抗菌活性に関する研究では、βデフェンシンの亜型間で抗菌活性に著しい差があることや、組み合わせにより抗菌活性に相乗効果が期待できることを明らかにした。7)非感染性の呼吸器疾患におけるデフェンシンの動態と病態への関与について解明した。本研究の成果から、気道局所におけるβデフェンシンの病態生理学的意義を解明し、βデフェンシンを難治性の呼吸器感染症に対する治療のツールとして用いる場合の有益な情報を得ることができた。βデフェンシンは生体内に存在するため抗原性の獲得がなく、非特異的抗菌物質であることから、難治性感染症に対する新規治療として今後の研究展開が期待されている。以上の内容について2年間で6編の論文を欧米誌に報告した。
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