研究分担者 |
石坂 彰敏 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90176181)
栗原 亜子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80338037)
小川 裕子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00348632)
中島 隆裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306702)
高橋 左枝子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10327512)
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研究概要 |
本研究でははじめにCYP2A6*4とともにアジア人で頻度の高い機能多型CYP2A6*7,*9の1日喫煙量に対する影響を検討した。200名の日本人喫煙者における*1(野生型),*4,*7,*9のアレル頻度は各々52,17,11,20%であった。*4,*7,*9を代謝遅延型多型として一括した場合、野生型は26%、ヘテロ接合が52.5%、ホモ接合が21.5%存在した。ホモ接合ではヘテロ接合および野生型に比べ1日喫煙量が有意に少なかった。1日喫煙量は野生型の*1/*1で最大、全欠失型の*4/*4で最小となり、その間は多型数に応じて分布した。ニコチン依存に関わる因子としてセロトニン、ドパミン系に作用する分子の遺伝子多型は重要と考えられる。セロトニン再取り込みに関与するセロトニントランネポーター(5-HTT)プロモーターの遺伝子多型は喫煙習慣ならびに肺動脈リモデリングへの関与が示唆されている。本研究ではこの多型と喫煙習慣、肺轢能、胸部CT所見との関連を検討した。遺伝子型はS/S 127例、S/L 61例、L/L 9例、その他5例であった。S群(S/S)ではL群(S/L,L/L)に比べ、1日喫煙本数p<0.05)、喫煙年数(p<0.01)、生涯喫煙量(p<0.01)が多く、気腫化スコアが高く(p=0.01)、%DL_<CO>が低値(p<0.05)であった。5-HTT多型は喫煙習慣と関連し、喫煙量の規定を介し肺気腫進展に影響を与えると考えられた。一方、ニコチンは脳内ドパミン作動性神経系のアセチルコリン受容体を介しドパミン分泌を増加させ喫煙依存形成に関与する。ドパミンD2受容体TaqI A1/2多型について解析したところ、全体ではA1/A1 9%、A1/A2 49%、A2/A2 42%と過去の報告よりA1の頻度が高い傾向を認めた。COPD患者と健常喫煙者の間でアレル頻度に差を認めなかった。遺伝子型間で1日喫煙本数、生涯喫煙量、喫煙年数、禁煙者比率に差はなかったが、A1/A1群ではA2/A2に比べ%VC(p<0.05)と%FEV1(p<0.05)が高値だった。D2 A1/2多型は喫煙量は規定しないものの肺機能と関連する可能性が示唆された。
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