研究課題/領域番号 |
17590811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
樋田 豊明 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 研究員 (80250249)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 肺癌 / 分子標的治療 / シクロオキシゲナーゼ阻害剤 / 上皮成長因子受容体阻害剤 / 増殖抑制 / 併用効果 / 遺伝子変異 / 臨床試験 / COX-2阻害剤 / EGFR阻害剤 / 抗癌剤 |
研究概要 |
本研究では、難治癌の代表であり、且つ増加傾向にある肺癌の治療成績向上を目指した新しいアプローチとして、最近臨床導入された上皮成長因子受容体チロシンキナーゼの選択的阻害剤ゲフィチニブと、アラキドン酸代謝のシグナル伝達経路の触媒酵素であるシクロオキシゲナーゼ2に対する特異的阻害剤との併用効果について、臨床応用を目的として検討した。ゲフィチニブ効果予測に関して、上皮成長因子受容体の遺伝子変異検索は、小検体のパラフィン切片から感度が高く、迅速に(4時間)結果判定可能な測定法を確立し、変異結果に基づき上皮成長因子受容体阻害剤ゲフィチニブを投与した。9割の症例で奏効が得られ無増悪生存期間中央値は7.7ヶ月を示した。変異部位による検討では、エクソン19欠失症例の無増悪生存期間中央値は7.8ヶ月、L858R点突然変異症例は6.0ヶ月を示した。ゲフィチニブに効果を示し、後に耐性化した症例の検討では、コドン790のスレオニンからメチオニンへの変異(T790M)が存在し、二次的遺伝子変異を獲得していた。T790M獲得症例は女性、非喫煙者、遺伝子欠失症例で多かったが、ゲフィチニブ投与期間との関連はなく、半数症例の耐性化には遺伝子変異獲得以外の要因の関与が示唆された。一方、シクロオキシゲナーゼ阻害剤により肺癌細胞の増殖抑制効果が得られ、ゲフィチニブとシクロオキシゲナーゼ阻害剤との併用に関して併用増強効果が観察された。シクロオキシゲナーゼと上皮成長因子受容体との関連について、プロスタグランジンE2が、リガンドとしての上皮成長因子の関与無く上皮成長因子受容体を刺激できること、一方、上皮成長因子はシクロオキシゲナーゼの発現を増強することが示されており、ゲフィチニブとシクロオキシゲナーゼ2阻害剤との併用は、治療の個別化も含め、治療戦略上重要であると考えられた。
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