研究課題/領域番号 |
17590861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
朝比奈 正人 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (40301098)
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研究分担者 |
伊藤 彰一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (60376374)
島田 斉 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10422239)
平野 成樹 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60375756)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,150千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | レヴィ小体病 / レヴィ小体型認知症 / パーキンソン病 / 認知機能 / アセチルコチインエステラーゼ / アセチルコリン作動神経 / positron emission tomography / Positron emission tomography / アセチルコリンエステラーゼ活性 / レヴィ小体型痴呆 |
研究概要 |
【背景・目的】レヴィ小体病(LBD)はレヴィ小体型認知症(DLB)、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、認知症を伴わないパーキンソン病(PD)などを含む疾患概念である.本研究ではLBD患者において認知機能に重要な役割をはたしている脳内コリン作動神経を、Positron Emission Tomography (PET)を用いて評価した.【方法】認知症を伴うLBD患者20例[DLB10例(平均年齢79±5歳)、PDD10例(平均年齢75±5歳)]、PD患者17例(平均年齢67±9歳)[発症4年未満の早期例10例(66±10歳)、発症4年以上の進行期例7例(68±7歳)]、健常対照26例(64±10歳)を対象とした.各群のMini-Mental State Examinationの平均スコア(30点満点)は、DLB群18±5、PDD群18±6、早期PD群28±2、進行期PD群27±2、健常群29±1であった. N-[11C]-methyl-4-piperidyl acetateをリガンドに用いたPETを施行し、3コンパートメント解析を用いて脳内アセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性を算出した。さらにstatistical parametric mapping5(SPM5)を用いた統計画像解析を施行した.【結果】DLB、PDD群ともに大脳皮質の平均AChE活性値は健常対照群やPD群と比較して減少していた.統計学的には大脳皮質の平均AChE活性値はDLB群とPD群間、DLB群と健常群間、およびPDD群と健常群間でp<0.01、PDD群とPD群間でp<0.05の有意差を認めた.SPM5によるvoxel解析ではDLB群とPDD群の全ての皮質領域でAChE活性値の低下がみられ、DLB群とPDD群でそのパターンに明らかな相違はなかった.【結論】認知症を伴うLBDに較べて認知症を伴うLBDでは、より重度の脳内アセチルコリン系障害が存在し、コリン作動神経の障害がLBDの認知機能障害に関与していることを示唆した.異同がしばしば議論されるDLBとPDDでは大脳皮質のAChE活性値の障害パターンに相違はなく、コリン作動性神経の障害に関しては、DLBとPDDの共通の病態が推測された.本研究は、LBDの認知機能障害の病態とその治療法の確立に示唆を与えるものである.
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