研究課題/領域番号 |
17590903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
畑山 巧 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10094484)
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研究分担者 |
山岸 伸行 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (60298685)
斉藤 洋平 (齊藤 洋平) 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (90411032)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ポリグルタミン病 / 分子シャペロン / アポトーシス / Hsp105 / HSP誘導剤 / 脳神経疾患 / 熱ショックタンパク質 / Hsp誘導剤 |
研究概要 |
(1)我々は、熱ショックタンパク質(Hsp)がポリグルタミン病の細胞モデルにおいて伸長ポリグルタミンタンパク質の凝集体形成と細胞死を抑制すること、また非ステロイド性抗炎症剤であるサリチル酸ナトリウム(SA)やインドメタシンがHspを誘導し、かつポリグルタミン病の細胞モデルにおいて強い細胞保護効果を示すことを明らかにしている。本研究は、さらに強力なHsp誘導物質を得ることを目的として、SAのHsp誘導に必要な官能基について種々のSA誘導体を用いて検討した。その結果、SA誘導体の水酸基はHspの誘導には必要であるが、カルボキシル基は必要でないこと、また、ある種のSA誘導体は神経変性疾患や有害なストレッサーに対して細胞を防御するのに有効であることを明らかとした。 (2)Hsp105は哺乳動物の種々の組織に発現している分子シャペロンであり、Hsp105αとHsp105βのイソフォームが存在する。我々はこれらのHsp105が伸長ポリグルタミンタンパク質による神経細胞のアポトーシスを抑制することを報告しているが、本研究は、Hsp105の伸長ポリグルタミンタンパク質によるアポトーシスの抑制機構について検討した。その結果、Hsp105αとHsp105βは伸長ポリグルタミンタンパク質の核内での凝集体の形成を抑制することによりアポトーシスを抑制すること、またこの抑制にはHsp105の核移行が必須であり、Hsp105が伸長ポリグルタミンタンパク質と直接、またはHsp105により誘導されたHsp70が間接的に作用している可能性を明らかにした。これらの結果は、ポリグルタミン病における神経細胞死を抑制する治療薬の開発のための一つの作用点を明らかにしたものであり、今後の発展が期待される。
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