研究課題/領域番号 |
17590928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山縣 和也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324770)
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研究分担者 |
岩橋 博見 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60397627)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン / HNF / collectrin / 開口放出 / SNARE蛋白質 / MODY / 遺伝子 |
研究概要 |
転写因子hepatocyte nuclear factor (HNF)-1αの遺伝子異常により若年発症インスリン分泌不全型糖尿病(type 3 of maturity-onset diabetes of the young ; MODY3)が発症するがその発症メカニズムは不明である(Yamagata K. Nature 1996)。HNF-1α異常によるインスリン分泌不全の分子機構を明らかにする目的でdominant negative HNF-1αを発現する膵β細胞株INS-1細胞と通常のINS-1細胞で発現している遺伝子の違いをサブトラクション法にて検討した。その結果、dominant negative HNF-1αを発現(内因性のHNF-1αが抑制された状態)しているINS-1細胞においてcollectrinという遺伝子の発現レベルが低下していることが判明した。CollectrinはACE2にホモロジーを持ち、腎集合管特異的に発現している機能未知の遺伝子としてクローニングされたものである。Collectrinのプロモーター解析を行ったところ、HNF-1の結合配列が存在しており、ゲルシフトを行ったところHNF-1が実際にこの部位に結合することが示された。特異的抗体を作製し、ヒトおよびマウス膵の免疫染色を行ったところcollectrinは膵β細胞に発現していた。細胞内局在について検討したところ、collectrinはインスリン分泌顆粒の膜状に存在していた。次にINS-1細胞にcollectrinを過剰発現させたところインスリン分泌は亢進し、siRNAを用いてcollectrinの発現を抑制したところインスリン分泌は現弱した。さらにインスリンプロモーターを用いて膵β細胞特異的にcollectrinを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製したところ、トランスジェニックマウスの耐糖能はコントロールに比して有意によく、初期インスリン分泌の元進も認められた。これらの結果から、collectrinは膵β細胞からのインスリン分泌を促進する作用があることが判明した。膵β細胞におけるcollectrinの発現レベルが低下することがMODY3の発症機構に関与している可能性が示された。
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