研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は二つのモデルマウスを用い、1型糖尿病における自己反応性T細胞の動態を明らかにすることである。自己反応性T細胞は1型糖尿病の発症に本質的な役割を果たすため、本研究の成果は、未だに予防法と治療法が確立していないヒト1型糖尿病に対する副作用の抗原特異的な治療法の開発に寄与することが期待される。糖尿病が促進するins2KO-NODマウスの膵島浸潤細胞には多数のCD4陽性細胞浸潤を認め、ELISPOT法によりCD4エピトープであるinsB9-23ペプチドに対して反応するIFNγ産生細胞が観察された。しかしこの反応はB鎖の16番目のアミノ酸をチロシンからアラニンに置換したペプチドでは認められず、1アミノ酸の違いは、直接的に自己反応性T細胞とinsB9-23との反応に大きく影響すると判明した。一方、CD8エピトープでは、インスリンB:15-23ペプチドに対する反応は観察されないのに対し、最近新たな1型糖尿病の膵島自己抗原として同定されたIGRP206-214(islet-specific glucose-6-phosphatase)ペプチドに対する反応が認められ、膵島破壊に関与するIGRPに対する自己反応性T細胞の重要性が示唆された。 一方、膵β細胞に副刺激分子のB7.1分子を発現したTgマウスを用い、insB9-23ペプチド免疫が非糖尿病マウスに1型糖尿病では、B16Ala-insB9-23では、糖尿病誘導は起こらなかった。さらにinsB15-23も糖尿病を誘導できないのに対し、IGRP206-214はinsB9-23と同様に、高率に糖尿病を誘導するが、insB9-23とは違い、インスリン自己抗体の産生は認めず、IGRPはインスリンとは違った機序で糖尿病を誘導する可能性が示唆された。
すべて 2008 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (31件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (14件)
Ann N Y Acad Sci (in press)
A nn N Y Acad Sci (in press)
Diabetes Res Clin Pract. 77S
Diabetes Res Clin Pract. S99
Hum Gene Ther 18(5)
ページ: 389-400
Diabetes Res Clin Pract 23:77S
Diabetes Res Clin Pract
Diabetes Research & Clinical Practice 77S
Human Gene Therapy 18(5)
Diabetes Research & Clinical Practice (in press)
Kobe medical Journal (in press)
Human Gene Therapy (In press)
Diabetologia 49
ページ: 1222-8
Diabetologia 49(6)
Diabetes 49
ページ: 1222-1228
内分泌・糖尿病科 23
ページ: 527-533
Diabetes Metab Res. Rev 21
ページ: 465-469
Nature 12
ページ: 220-3
Diabetes 54
ページ: 2549-2556
Diabetes Metab Res 21
Nature 12;435(7039)
ページ: 20-3
Nature 435
ページ: 220-223
臨床免疫 44
ページ: 141-147
Diabetes Metab Res.Rev. 21
Ann NY Acad Sci. (in press)