研究課題/領域番号 |
17590960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木原 進士 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20332736)
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研究分担者 |
中村 正 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90252668)
船橋 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60243234)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遺伝子 / 内科 / 循環器・高血圧 / 糖尿病 / プロテオーム / PROTEOME |
研究概要 |
本研究はアディポネクチン欠損マウスを用いて、高血圧・心血管リモデリング異常発症の分子機構を解明し、ヒト低アディポネクチン血症に基づくこれらの病態発症機構解明につなげることを目的として行ったものである。 1.アディポネクチン欠損マウスは、食塩負荷により対照に比し有意な収縮期血圧の上昇を生じた。この現象は全身血管におけるアディポネクチンの内皮型NO合成酵素誘導機構の作用不全に基づくものであった。このモデルにアディポネクチンを補充することによりアディポネクチン欠損マウスの血圧は有意に低下した。 2.アディポネクチン欠損マウスは冠動脈の虚血再還流により、有意な心筋梗塞巣の拡大を生じた。この現象はアディポネクチンのAMPキナーゼ経路を介した心筋細胞死抑制とCox-2経路を介したTNF-alpha産生抑制機構に基づくものであった。これらのモデルに、アディポネクチンを補充することにより、心筋梗塞巣は有意に縮小した。 3.アディポネクチンの新たな動脈硬化防御機構として血管内皮細胞におけるIL-8産生をアディポネクチンが抑制することを明らかにした。 4.アディポネクチンの新たな意義として、(1)アンジオテンシン受容体拮抗剤が脂肪組織の酸化ストレスを低下させることでアディポネクチン血中濃度を増加させること、(2)喫煙が脂肪細胞の酸化ストレス増加を介してアディポネクチン血中濃度を低下させること、(3)チアゾリジン誘導体が左室拡張能を改善すること、(4)末梢動脈閉塞症における動脈硬化進展の指標や、(5)慢性腎臓病における心血管イベント予測因子としてアディポネクチン血中濃度測定が有用であることを明らかにした。 以上の研究により、アディポネクチンを介した、高血圧・心血管リモデリング異常発症の新たな分子機構が明らかとなった。
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