研究課題/領域番号 |
17590997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 克也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60306199)
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研究分担者 |
松井 利充 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10219371)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | TFL遺伝子 / 染色体転座 / 悪性リンパ腫 / 癌抑制遺伝子 / ノックアウトマウス / zinc finger motif / 遺伝子導入 / 細胞周期 / 細胞内局在 / ノックダウン / ES細胞 |
研究概要 |
1.TFL遺伝子・蛋白の発現解析:マウスでは脾臓で最も強い発現が認められ、T細胞、B細胞の間に発現の差はみられなかった。悪性リンパ腫の臨床検体においては、T細胞性、B細胞性いずれでも発現を認めた。しかし症例により高発現から低発現まで大きな差が見られ、TFLが特定のリンパ腫の発症や病態の変化に関与している可能性が示唆された。またペプチドを抗原としてポリクローナル抗体を作成し、TFL蛋白を認識することを確認した。2.TFLと細胞増殖:BaF3細胞にTFL/GFP発現ベクターを導入してTFLを過剰発現させることにより、BaF3細胞の増殖は抑制されGFPの発現が減少した。またTFL導入群では有意にチミジンの取り込み低下が認められた。すなわちTFLの増殖抑制機能が示唆された。3.TFLの細胞内局在:このベクターをNIH3T3細胞に導入し二重蛍光染色でTFL蛋白の細胞内局在を解析したところ、主に核内に存在しており、さらにDNAの集積が疎な部分に核内の局在が偏っていた。4.TFL変異体の機能:TFLはC末端領域にzinc finger motif(Zn)を有している。Znを欠失させたTFLZn-/GFPベクターを構築し、上述の実験を行った。TFLZn-を導入したBaF3細胞では増殖の抑制が解除され、コントロールとほぼ同様の細胞増殖を示した。さらに核内に局在化していたTFLは、その局在化は見られなくなった。つまりZnはTFL機能発現において必須のmotifであり、Znを介してその機能を発揮することが示唆された。5.ノックアウトマウスの作成:TFL遺伝子の翻訳開始コドンがあるエキソン2を含む領域を、ネオマイシン耐性遺伝子に置き換えたターゲッテイングベクターを作成してES細胞に導入し、相同組み換えES細胞を樹立した。ES細胞のスクリーニングを行い、インジェクションの結果キメラマウスが得られた。現在F1マウスの交配を作成しており、個体レベルでのTFLの解析を行う方針である。
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