研究課題
基盤研究(C)
骨髄腫細胞株においてはその過半数の細胞株にPU.1の発現低下を認め、骨髄腫患者の骨髄ないしは胸水から純化した骨髄腫細胞においても同様に多くの例でPU.1の発現低下を認めた。我々は骨髄腫細胞株でのPU.1の発現低下のメカニズムとして17kb5'上流のエンハンサー領域とプロモーター領域の両方がメチル化を受けていることによること、骨髄腫細胞株U266とKMS12PEにtet-offの系を用いてPU.1を発現させると細胞増殖停止とアポトーシスを引きおこすことを示してきた。さらに17kb5'上流の保存領域とプロモーター領域のメチル化を認めるKMS12PEとKHM11骨髄腫細包株を脱メチル化剤で処理するとPU.1の発現の誘導と同時に細胞増殖停止と細胞死が引き起こされた。以上から、脱メチル化剤を含めたPU.1を発現誘導させる薬剤が多発性骨髄腫の新規な分子標的療法薬になりうることを示し報告した。我々はさらにPU.1発現による細胞増殖停止とアポトーシスのメカニズムを調べるためにPU.1の発現誘導の前と後での遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレイを用いて調べて現在解析中である。我々はPU.1発現直後にTRAILが強発現してくることを見出しsiRNAを用いた実験にてPu.1の発現後のアポトーシスは少なくとも一部はTRAILを介していることを示した。また、インターフェロンシグナルの下流の遺伝子が発現上昇しており、転写因子としてIRF7の高発現を認めた。IRF7のsiRNAを導入するとTRAILの発現が抑えられたことにより、PU.1により誘導されるTRAILの発現にIRF7が直接あるいは間接的に関わっている可能性が示唆された。また、PU.1発現直後にp21の発現が蛋白レベルでも上昇しており細胞増殖停止に関わっている可能性が示唆された。
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