研究課題
基盤研究(C)
白血病の分子病態におけるHIF-1の役割およびHIF-1をターゲットとした分子標的治療の基礎的な研究を行い、以下の事項を明らかにした。1.白血病細胞におけるHIF-1αの発現にはミトコンドリアでの活性酸素の産生が必要である。ヒト白血病細胞株UT-7/TPOをその増殖因子であるトロンボポエチン(TPO)で刺激すると、活性酸素レベルの上昇と転写因子HIF-1αの安定化が誘導された。そこで、活性酸素除去剤を用いたところ、HIF-1aの発現が抑制された。次に、ミトコンドリアの電子伝達系路の阻害剤で処理した場合には、活性酸素の産生が抑制されるとともにHIF-1aの発現が低下した。ミトコンドリアDNAを除去した細胞株でも、同様にTPO刺激後の活性酸素の上昇とHIF-1aの発現が阻害されていた。以上より、白血病細胞株におけるHIF-1の活性化には、ミトコンドリアからの活性酸素が必要であると考えられた。2.ミトコンドリアからの活性酸素産生にはPI3キナーゼを介した糖代謝亢進が関与する。ミトコンドリアからの活性酸素産生機序についても探求した。ミトコンドリアでの活性酸素産生は糖代謝およびそれと連動する酸化的リン酸化と密接に関わるため、まず糖代謝の阻害剤である2-deoxyglucoseを用いた。その結果、2-deocyglucoseによりHIF-1αの発現は著明に抑制されることが分かった。さらに、グルコーストランスポーター蛋白の機能を抑制した場合にも、HIF-1αの発現は抑制された。また、PI3キナーゼの阻害剤であるLY294002により、グルコーストランスポーター蛋白の機能抑制と活性酸素レベルの低下、さらにはHIF-1aの発現低下が観察された。以上の結果より、白血病細胞におけるミトコンドリアからの活性酸素の産生には、PI3-キナーゼを介した糖代謝の活性化が必要であると考えられた。
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