研究課題/領域番号 |
17591056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
濱野 慶朋 順天堂大学, 医学部, 講師 (10281354)
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研究分担者 |
鈴木 和男 国立感染研, 生物活性物質, 室長 (20192130)
西村 裕之 桐蔭横浜大, 人間科学セ, 教授 (60189313)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | MPO-ANCA / SCG / Kj / 血管炎 / 糸球体腎炎 / 半月体 / QTL |
研究概要 |
多発性血管炎・半月体形成性腎炎及びMPO-ANCA産生に関連する遺伝的因子を同定するため、疾患モデルマウスSCG/Kjと正常マウスB6を用い、F2マウスを作成してQTL解析を行った。結果として、マウスの常染色体上に合計14個のE∂5以外の疾患感受性遺伝子座を同定した。糸球体腎炎関連遺伝子座は第1、10、13、16、17染色体上に、血管炎関連遺伝子座は第1、17染色体上に、MPO-ANCA産生感受性遺伝子座は第1、10染色体上にマップされた。SCG/Kj由来のQTLをScg-1〜Scg-5、B6由来のQTLをSxb-1〜Sxb-4と命名した。また、第1及び第10染色体上に存在し、MPO-ANCA高産生に関連するQTLをそれぞれMan-1及びMan-2と命名した。これらの結果はJ Immunolに掲載された。 一方、血管炎,腎炎の免疫学的発症機構を明らかにするため、H17-18年を通してF2マウスの全個体において、4週ごとに末梢血を採取し、顆粒球、単球、T細胞、B細胞、樹状細胞の増多と自己免疫形質(自己抗体・MPO-ANCA・腎炎・半月体・腎血管炎・脾腫・生存週齢)との関連を解析した。 その結果、顆粒球(r=0.211-0.606、p<0.0001)、単球(r=0.145-0.536、p<0.0001)、CD4-CD8-T細胞(r=0.134-0.629、p<0.0001)、樹状細胞(r=0.237-0.586、p<0.0001)が上記の形質全てと有意に相関することが判明した。特に樹状細胞については、classical dendritic cellの増多と自己免疫形質とがよく相関したため、末梢血中の樹状細胞細胞数を量的形質としてゲノム走査を行ったところ、3〜4個のQTLを見いだした。興味深いことに、上記の細胞群増多症は、一部共通であるものの、これまでに同定した508-1〜508-5、Sxb-1〜Sxb-4等の自己免疫形質感受性遺伝子とは別個の遺伝子群により支配されており、多段階を経て最終的に形成される自己免疫形質に関連する修飾遺伝子としてそれらが機能している可能性が示唆された。 ところで、これまでに同定したMPO-ANCA産生感受性遺伝子Man-1の本態に関して、染色体マーカーによる高解像度マッピングが進行中である。これまでに利用してきたD1MIT117、D1MIT191、D1MIT102に加え、この3者が規定する約14cMの区域に、今回新たに7マーカーを追加することにより1〜2cM単位のマッピングが可能となった。これらの結果により位置的候補遺伝子の絞り込みが進行している。
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