研究課題/領域番号 |
17591065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石黒 信久 北海道大学, 大学病院, 助手 (40168216)
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研究分担者 |
瀬谷 司 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (10301805)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ヒト・メタニューモウイルス / ウイルス膜表面蛋白 / イムノクロマト法 / モノクローナル抗体 / 迅速診断 / 液性免疫応答 |
研究概要 |
(1)バキュロウイルス系を用いてF蛋白を大量に発現させた細胞を抗原とした蛍光抗体間接法(Bac-F IFA)を開発した。ヒト血清中の抗hMPV抗体の大半はF蛋白に対する抗体であることが判明した。hMPV感染LLC-MK2細胞を用いた蛍光抗体間接法で抗hMPV抗体を測定するよりも、Bac-F IFAのほうが高感度と判明した。(2)大腸菌系を用いて作製したhMPVのN及びM蛋白を抗原として用いたWestern blot法にて、ヒト血清中に存在するN及びM蛋白に対する特異抗体の有無を測定した。抗hMPV抗体価80倍以下の血清中の抗N及びM蛋白抗体検出率が2/48(4%)であったのに対して、抗hMPV抗体価160倍以上の血清中の抗N及びM蛋白抗体検出率は30/49(61%)及び31/49(63%)であった。(3)ヒト・メタニューモウイルス(hMPV)のF蛋白に対するモノクローナル抗体が2株得られた。In vitroの培養細胞系を利用したhMPV感染阻止実験の結果、この抗体は中和活性をもつことが証明され、F蛋白はhMPVの中和活性に重要な役割を果たしていることが示唆された。(4)ヒト・メタニューモウイルス(hMPV)のN蛋白に対するモノクローナル抗体が2株(3D1, 5B10)得られた。hMPVのN蛋白を組み込んだバキュウロウイルスを感染させたTn5細胞を抗原として、蛍光抗体間接法と免疫沈降反応を行い、2株のモノクローナル抗体のhMPVのN蛋白に対する反応性を確認した。3D1抗体を膜に固相化、コロイド抱合5B10抗体をコロイド抱合して、イムノクロマト法を開発した。十分な感度と高い特異性が得られ、hMPV感染症の迅速診断に応用可能と考えられた。(5)下気道感染症の入院患者の鼻咽頭拭い液を材料として、モノクローナル抗体を利用した蛍光抗体法にてhMPV抗原の検出を行った。RT-PCR法を用いたHBoVゲノムの検出では48人中15人が陽性(31%)であったのに対して、モノクローナル抗体を利用した蛍光抗体法では48人中12人の陽性(25%)であった。hMPV検出感度は73.3%、特異性は97.0%であった。
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