研究課題
基盤研究(C)
ヒトタンパク立体構造解析から得られた薬剤分子の効果・副作用解析を行うために、ヒト類似反応を惹起できるマウス等にて検証するシステム確立を目指した基礎技術開発等を行ってきているが、立体構造解析、立体構造に基づき薬剤開発を行ってきているサイトカイン等免疫関連タンパクについて実験を行った。ヒト型レセプター遺伝子を導入するための遺伝子クローニング・ベクターを作成し、必要な技術・方法についての基礎的検討を行った。サイトカインが体内で活性を持つために、複数のレセプターがホモまたはヘテロ複合体としての会合が必要であるため、解析に際してはレセプターが細胞において生理的に誘導される機構の流れに基づいた構造にて発現されるための構造基盤などについて解析した。一方、我々が多次元核磁気共鳴法(NMR)にて決定したタンパク原子座標等のデータをもとにスクリーニングした候補低分子薬剤について、発現・精製法を確立したリコンビナントタンパク質を利用し、ハイスループット分子間相互作用解析装置(蛍光相互作用解析装置及び表面プラズモン解析装置等)を用いた結合スクリーニングを行った。さらに、新たな立体構造解析には、その目的タンパクの大量発現系の構築がもっとも重要であるが、従来法では活性をもつタンパクが得られないものに対しても有用となる方法を開発するために、昆虫細胞系による発現系などを確立し構造解析を行った。他方、アレルギー性脳脊髄炎を発症するモデルマウスを作成し、アミノ酸ポリマー薬剤による臨床的効果とT細胞解析を行い、その抑制機構について解析を行った。その結果、T細胞のサイトカイン産生、T細胞増殖能、交叉反応性など各種実験により、アミノ酸コポリマーによる免疫抑制効果が確認され、マウス疾患モデルにおける治療有効性が示唆された。
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