研究課題/領域番号 |
17591086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
難波 範行 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (10379076)
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研究分担者 |
大倉 正也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (10281130)
道上 敏美 大阪府立母子保険総合医療センター研究所, 環境影響部門, 部長 (00301804)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | SHP-2 / 成長軟骨 / 成長障害 / Noonan症候群 / LEOPARD症候群 / LEOPARD syndrome |
研究概要 |
SHP-2は主としてMAPK (Erk)活性の陽性調節因子として機能すると考えられている。SHP-2活性の変化によりMAPK活性も変化し、成長障害に至るという作業仮説を検証するため以下の実験を行った。 (a)軟骨細胞分化の検討 ATDC5細胞に野生型SHP-2およびNS、LS患者より同定したSHP-2変異(D61N、Q510E)をアデノウイルスベクターにより強制発現後、軟骨細胞初期分化マーカーである転写因子sox9のmRNAをreal-time PCRで定量したところ、いずれの変異によってもsox9 mRNAの発現は増加した。一方sox9/sox5/sox6複合体により発現が増加することが知られているcol2a1 mRNAには明らかな増加が認められなかった。col2a1プロモーター下にルシフェラーゼを挿入したベクターを用いたレポーターアッセイでも、野生型SHP-2、D61NまたはQ510E変異SHP-2いずれによっても明らかな増加は認められなかった。短期間で軟骨分化を促進させるAlginate bead培養系を用い、軟骨細胞後期分化マーカーであるColXの発現を検討したところ、野生型SHP-2、D61NまたはQ510E変異SHP-2のいずれを導入してもColX mRNAの発現は抑制された。 (b)シグナル伝達経路(MAPK系)の検討 ATDC5細胞に野生型、変異SHP-2をアデノウイルスベクターにより強制発現後、FGF2添加によるMAPK活性を詳細に検討したところ、低濃度(50pg/ml)でMAPK活性はD61N変異により増強、Q510E変異により抑制された。 (c)軟骨細胞増殖の検討 野生型、変異SHP-2導入後、細胞数をカウントしたが、変異による細胞増殖への影響は認められなかった。 以上より変異SHP-2はMAPKを介さない経路で主に軟骨分化を阻害していることが示唆された。
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