研究課題/領域番号 |
17591124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
永光 信一郎 久留米大学, 医学部, 講師 (30258454)
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研究分担者 |
森田 喜一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (20140642)
津田 彰 久留米大学, 文学部, 教授 (40150817)
石橋 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (20168256)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,710千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | こころの問題 / 脳科学 / 近赤外線光トポグラフィー / 心身症 / バイオフィードバック / こころ / 思春期 / NIRS / SDQ |
研究概要 |
研究の目的は、「こころ」と「脳」の関係に対して、脳科学の技術を駆使して、「こころの問題」をもつこども達の情動、不安、認知、意欲に関わる高次脳機能を客観的に評価し、心身医学の治療に有益に活用する事である。脳科学の手法として、非侵襲的脳機能イメージングである近赤外線光トポグラフィー、アイマークレコーダー、や核医学を利用した123I-IMP、イオマゼニール脳SPECTを用いた。対象者は、精神疾患、身体疾患のない健常者群と、小児神経性食思不振症患者、不登校児、学習障害児、心的外傷後ストレス障害児等の疾患群、計50名でおこなった。メンタルタスクに対する前頭葉機能の反応は、明らかに健常群と疾患群では異なる反応を示した。一般に各々のメンタルタスクに対して、タスクパフォーマンスに差は認めないものの、疾患群の多くでは前頭葉の反応性の低下が確認された。一方で疾患の促進因子に関係するタスクでは、過剰な反応性がみられた。前頭葉の活動性の低下は、不安の調節機構にかかわるベンゾジアゼピンレセプター解析(SPECT)でも確認された。視線の軌跡を追跡できるアイマークレコーダーでは、障害児の読字で視線移動距離の延長、サッケードの増加、停留点数の増加、視線の乱れを認め、神経症患児では、ストレス対象からの視線の逸脱などが確認された。これら客観性をもったメンタルタスク負荷時の高次脳機能の科学的データーは小児の心身症、精神疾患で報告された事はなく、新しい知見である。小児心身医学、精神医学の治療臨床において、上記科学的根拠に基づいたデーターを患児、家族、また治療者に還元する事で、疾患の理解、治療の幅が広がるものと期待される。
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