研究課題/領域番号 |
17591133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
高橋 幸利 独立行政法人国立病院機構(静岡, てんかん神経医療センター臨床研究部), 部長 (70262764)
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研究分担者 |
藤原 建樹 (藤原 健樹) 独立行政法人国立病院機構(静岡, てんかん神経医療センター臨床研究部)・遺伝子生化学研究室, 室員 (40045513)
田中 正樹 独立行政法人国立病院機構(静岡, てんかん神経医療センター臨床研究部)・薬理研究室, 室長 (90360809)
西村 成子 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん, 神経医療センター・臨床研究部遺伝子生化学研究室, 室員 (60393120)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 急性脳炎 / 辺縁系脳炎 / 広汎性脳炎 / GluRε2 / GluRδ2 / 神経細胞死 / IVIG |
研究概要 |
1.GluRε2・GluRδ2自己抗体の急性脳炎にける出現時期・エピトープと役割 神経症状出現時に意識障害が軽度で、精神症状、幻覚などの辺縁系症状で発症する限局性脳炎型(24例)症例と、初発直後より重度の意識障害が見られる広汎性脳炎型(22例)症例において、抗GluRε2・GluRδ2抗体を検討した。限局性脳炎型では髄液中の抗GluRε2抗体は発病初期に陽性となり、N末エピトープを含むのに対し、広汎性脳炎型では回復期・慢性期に陽性化する症例が多い。この自己抗体が出現すると、後遺症としてのてんかん・知能障害が多いことが分かった。髄液GluRε2抗体の出現に繋がる因子としては、入院治療開始後の痙攣重積(p=0.02、フィッシャー直接確率)・IVIG治療(p=0.04、フィッシャー直接確率)が有意であった。 以上より、限局性脳炎型では感染により産生された抗体がGluRε2分子とも反応する特性を有し、抗GluRε2抗体として血清中に検出され、血管の透過性亢進などにより中枢神経系に至り、脳炎症状の一部に関与しているかもしれない。 2.急性脳炎の後遺症に関する調査 急性脳炎・脳症発病から約17年経過した199症例を調査し、ADL・てんかん発作・精神症状・知的障害・記憶障害・運動障害の程度を検討した。知的障害・運動障害は発病年齢が若いほど障害が強く、てんかん発作・知的障害は徐々に慢性期に悪化する経過を示した。 3.GluR自己抗体等の液性免疫因子の神経細胞への電気生理学的・分子細胞生物学的影響の解明 抗GluRε2抗体がどのような作用機序でCNS病態に関与しているのかを明らかにするために、我々はラット海馬スライス標本を用いて興奮性シナプス後電流(EPSC)への影響を検討したが、NMDA成分のみと考えられるEPSCの振幅に有意な変化は見られなかった。現在、アポトーシスへの影響を検討している。
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