研究課題/領域番号 |
17591163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
椙山 秀昭 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (70301207)
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研究分担者 |
島田 眞路 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (10114505)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 尋常性乾癬 / アトピー性皮膚炎 / 制御性T細胞 |
研究概要 |
尋常性乾癬は皮膚科疾患における代表的な慢性炎症性疾患である。本症ではいわゆるTh1型優位なT細胞の機能異常に関する報告が過去に多く、また他の自己免疫性疾患の合併があることから発症の誘因にT細胞を介する自己免疫異常が関与するとする見解がある。そこで本症における制御性T細胞の機能異常の有無について検討を加えた。 乾癬患者と健常群の末梢血より調製した各々のCD4^+CD25^+制御性T(Treg)細胞を用いて、量的、質的な検討を行った。その結果、flow cytometryを用いた解析では患者群末梢血中に存在するTregの全CD4^+T細胞群に占める割合に健常コントロール群と比較して有意な差は認められなかったが、機能的に患者Tregには異常があることがin viroの系で判明した。すなわち、Tregとautologous CD4^+CD25T(Tresp)細胞を1:1の割合でallogeneicな抗原提示細胞と共培養すると、健常群のTregはTrespの3H取込を約90%抑制したが、患者群のTregはおおよそ40%しか抑制効果を示さず、健常群Tregと同様の抑制効果を得るためには、約8倍数の患者Tregが必要であることが明らかとなった。加えて、細胞交叉実験を行ったところ、健常群のTregは患者由来のTrespの^3H取込を強く抑制したにもかかわらず、患者群のTregの抑制能力はそれを大きく下回る結果であった。以上から、乾癬患者においてはTregそれ自体に機能的な減弱があることが多角的に証明された。 また、今回我々は乾癬患者の炎症局所、すなわち皮疹部に存在するTregの調製にも成功し実験を行うことができた。生検皮膚から直接得られたTregの機能解析を行ったところ、やはりTrespの増殖反応を抑制する機能が減弱していることが^3H取込実験によって証明された。
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