研究課題/領域番号 |
17591206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大饗 広之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80362242)
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研究分担者 |
西岡 和郎 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80237669)
浜渦 辰二 静岡大学, 人文学部, 教授 (70218527)
村上 靖彦 日本大学, 国際関係学部, 助教授 (30328679)
田辺 肇 静岡大学, 人文学部, 助教授 (60302361)
古橋 忠晃 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (50402384)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 衝動行為 / 予見不能性 / 解離 / 外傷体験 / 自閉傾向 / インターネット / 犯罪 / 自殺 |
研究概要 |
攻撃的行動は、ときに周囲にはまったく問題のないように見える人々によって引き起こされる。臨床的等価例の予備的調査では、この種の「突発的な逸脱行為」のメカニズムとして、解離、外傷記憶の侵入的想起、自閉傾向の三者が候補としてあげられ、なかでも解離機制の関与が濃厚と推測された。また一般青年(大学生、専門学校生)を対象に質問紙表調査を行った結果、攻撃性、解離傾向、外傷記憶、自閉傾向の各々の間に有意な相関(中等度)が認められ、その因果関係の分析(重回帰分析)では、解離、外傷体験、自閉的傾向の三要因によって説明される攻撃性は21%であることが示された。上記から解離と攻撃性は直接的な因果関係のうちにはないものの、解離は何らかの形で攻撃性の発現を媒介していると推測しうる。 解離の「突発的な攻撃性」発現への関与について、本研究から引き出された精神病理学的に妥当な解釈モデルは次のようなものであった。すなわち、解離はそれ自体としては危機的な状況から主体を防衛するものであるが、防衛の破綻の局面では(解離された)攻撃性の突発的な解放を誘発するものであり、そこに予見不能な性格を付加する可能性がある。さらにもう一つの統計的調査は、とくに女性においてインターネット使用などの現代的な生活習慣と青年の攻撃性の間の有意な相関を示していた。これらの結果には、さらに詳細な検討が必要とされているが、少なくともメディア使用の一般化が青少年の心理に及ぼす効果については一定の警戒が必要である。
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