研究課題/領域番号 |
17591207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梅垣 宏行 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40345898)
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研究分担者 |
鈴木 裕介 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (90378167)
赤津 裕康 福祉村病院, 長寿医学研究所, 副所長 (00399734)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,730千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ドーパミン / アセチルコリン / 認知機能 / レビー小体型認知症 / アルツハイマー型認知症 / 海馬 / 施設入所 / 運動機能 / 中隔核 / 対角核 |
研究概要 |
我々は、本研究において、Dementia with Lewy bodies(DLB)を総合的に研究し、新たな治療戦略を検討した。 本研究が明らかにしたことは以下の点である。 1.DLBとアルツハイマー病患者の剖検脳を検討し、在宅介護が破綻して施設入所に至った時点において、DLBは認知機能においては保たれているものの、幻覚等の症状が多く、運動機能の障害が強く日常生活機能が低下しているなど、同じ認知症を呈する両疾患の経過は大きく異なる。 2.DLB患者脳では、中核核、対角核のコリナージックニューロンがアルツハイマー病患者と比較してもより障害されている。 3.コリナージックニューロンの機能低下による記憶力低下の動物モデル(コリン欠乏食飼育ラット、アセチルコリンの薬理学的拮抗)でも、海馬へのドパミンの投与は、記憶力改善効果がある。 以上によって、DLBは代表的な認知症疾患であるアルツハイマー病とは異なる対応が求められる疾患であることが再確認され、コリナージックニューロン系とドパミナージックニューロン系の双方が強く障害されているDLB患者に対しては、両神経系に働きかける治療が求められているばかりでなく、相乗的な治療効果が得られる可能性があることが明らかになった。 これらを基礎に、L-ドーパとコリンエステラーゼ阻害薬の投与によるDLB患者の認知機能の改善効果の検討を開始した。現在までのところ4名に、平均投与量62.8mg/日のL-ドーパを3ヶ月間投与したが、有意な認知機能の改善を確認できなかった。L-ドーパの容量の不足とL-ドーパによる意識レベルの変動の拡大が、有意な改善を検出できない原因である可能性がある。
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