研究課題/領域番号 |
17591216
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
井上 新平 高知大学, 副学長 (20125826)
|
研究分担者 |
加藤 邦夫 高知大学, 医学部, 教授 (70346708)
下寺 信次 高知大学, 医学部附属病院, 助教授 (20315005)
上村 直人 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (10315004)
泉本 雄司 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (20325418)
澤田 健 高知大学, 医学部, 助手 (10372731)
掛田 恭子 高知大学, 医学部, 助手 (20335938)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 医療面接 / コミュニケーション / 視線 / 非言語的要素 / OSCE / 患者評価 / ビデオ再生評価 / Interviewer's gender |
研究概要 |
医療面接で重視される項目の一つに患者に視線を向けることがあり、その評価は従来定性的であった。今回視線を合わせる時間や割合を定量的に測定し患者評価との関連性を検討した。対象は高知大学医学部5年生187人で、評価にはOSCE、患者による評価用紙、および面接を記録したビデオを再生して面接時間・視線を合わせている時間・視線を合わせるタイミングなどを測定した独自評価の3種類を用いた。同時に視線を合わせるタイミングが適切か否かを評価した。ビデオ評価の信頼性を確保するための事前トレーニングを行った。以下の結果が得られた。 1.OSCEでは60%以上の学生が「普通」以上の評価を得た項目は全体の80%程度であった。因子分析で8つの因子が取り出せ、上位3因子で分散の43%が説明された。 2.患者評価では、挨拶、視線などは80%以上が「良」、「最良」であったが、「言いたいことが十分に言えた」は73%、「自分のことがわかってもらえた」は62%で低い傾向にあった。 3.面接時間の平均は12分48秒、視線を合わせていた時間は8分48秒、視線を合わせている時間の割合は69%であった。患者評価と視線を合わせる割合の関係では、割合が60-70%で患者評価が最も低く、それ以下と以上では評価が高かった。これより患者群が均一でないことが想定され更に検討した結果、(1)面接者が女性の場合は視線を合わせる割合が多いほど患者評価が高い、(2)被面接者が男性の場合は視線を合わせる割合が少ないほど患者評価が高い、(3)模擬患者で面接時間が長いほど評価が高いという結果を得た。視線を合わせるタイミングと患者評価との関係では、話している間中視線を合わせている場合が、話はじめや話終わりに限定して視線を合わせる場合よりも患者評価がよかった。 以上より、視線が持つ影響は性別や患者の病態により異なることがわかり、医学教育で考慮されるべきである。
|