研究課題/領域番号 |
17591227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中川 康司 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (20335970)
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研究分担者 |
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
中村 祐 香川大学, 医学部, 教授 (70291440)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 認知症高齢者 / 介護家族 / 医療職 / ナラティブアプローチ / 物語 / 心理学 / 看護ケア / 試験 / 看護学 / 介護負担感 |
研究概要 |
「物語」の異化作用という視点からナラティブアプローチを認知症高齢者介護家族に対して施行した。ナラティブアプローチは心理療法の一種であることから、研究代表者らは心理学の事典、全書、医育機関名簿等を手がかりにして、ナラティブアプローチの歴史を振り返ることにより、視座が低くならないように心がけた。その結果、介護家族に接する医療スタッフの物語も見過ごしてはならないことが明らかとなった。すなわち、介護家族は医療現場で看護師、心理士、介護福祉士等の医師以外の医療スタッフとの関わりが濃厚である。従って、まずは看護師や心理士が誕生するまでの物語が理解される必要がある。その観点から看護師や心理士の教育課程や資格試験を通じて、看護師や心理士が専門職として社会から何を要求されているのかを明らかにし、その要求がどのような物語として医療現場に反映されているかを明らかにしようとした。その結果、医療各種専門職に共通するナラティブとして「医療は病者の健康を回復するために存在する」という当然の、しかし忘れがちなひとつの物語が基底にあることが明らかとなった。一方、介護家族、医療各種専門職、研究代表者らとの交流から紡ぎ出される物語はあらかじめ用意されたものであっては効果に乏しい。そこで、保坂和志氏や小島信夫氏の「俯瞰を拒否する」という小説的立場に立つことにより、未だ言語化されていない介護にまつわる事象を、お互いに共有することにより、予期せぬナラティブを発掘しようと試みている。なお、十津川村在住のウオーキングボランティア参加者を対象者として行われた研究の経過報告は、「十津川村ウオーキングボランティア調査報告書」として発表された。引き続き、奈良県立医科大学精神科外来通院中の認知症高齢者の介護家族に対して本研究を継続している。
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