研究課題/領域番号 |
17591249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宇野 隆 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30302540)
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研究分担者 |
伊東 久夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20095574)
川田 哲也 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (60234077)
内田 佳孝 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30261902)
磯部 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80334184)
本折 健 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30344998)
山本 正二 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (40302567)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 炭素イオン線 / 脳幹部照射 / 自発運動 / メタンフェタミン / 放射線治療 / 晩期副作用の定量 / 中枢神経 |
研究概要 |
正常脳組織に対する重粒子線照射の障害についてラットの視床下部に炭素線を照射し、自発運動活性を経時的に測定して脳の機能障害について検討した。照射による障害を行動量から測定することは、脳組織の機能的な側面の検討を意味するが動物の運動活性が低く、また照射された動物の行動量が「抑制」されている場合では、その差を検出することは困難で明確な結果が得られない。また、動物の加齢とともに自発運動量に低下傾向がみられるのが一般的である。そこで中枢神経興奮作用を持つメタンフェタミン(覚醒剤methamphetamine : MAP)の運動活性増加効果を利用し、運動量の変化から脳に対する放射線障害を推定する方法を考案した。 照射にはHIMAC(放医研)の炭素線で290MeV/nucleon、Mono Beamを使用し、視床下部へ5mm立方の照射野に60Gyの単一照射を実施した。炭素線の照射位置はイメージングプレート法によって確認した。ラットの自発運動活性は車回し運動を採用し、測定直前に運動活性増強作用を有するMAP(2.0mg/kg)を腹腔内に投与して運動量を計測した。 MAP投与による車回し運動活性は照射群(直線距離452.7m/90分間)および対照群(同492.9m/90分間)で初回の測定が最も高い行動量が測定された。対照群ではMAPの投与頻度に依存した運動量の低下が2回(6週後)から5回(22週後)でみられた。一方、照射群ではMAPの投与回数に依存した運動量の低下はみられず、照射10〜22週後では対照群に対し有意な運動量の増加を示し、26〜30週後には対照群のレベルまで運動量が低下した。このことは大線量照射による急性期障害(脳浮腫)が照射局所に発現している可能性を示唆し、その浮腫による血行障害を周囲の血流を促進することによって補っていると推測された。
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