研究課題/領域番号 |
17591254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
隅屋 寿 金沢大, 医学部附属病院, 助手 (30251929)
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研究分担者 |
森 厚文 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (90019604)
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (40143929)
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助手 (30347471)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | VAChT / PET / ベサミコール / 分子イメージング剤 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
我々はアセチルコリントランスポーター(VAChT)分子イメ-ジング剤の開発のためにVAChTに高い親和性を示すベサミコールを基本化合物として多くの類似体について検討を行ってきた。その過程でベサミコールのパラ位にヨウ素のような小さい官能基を導入することにより、VAChT親和性が減少する一方、シグマ受容体に対して高親和性を示すことがわかった。そこで本研究はの目的は、ポジトロン核種であるC-11の導入可能なパラ位にメチル基を導入した[^<11>C](+)-P-チルベサミコール((+)-PMV)を設計し、[^<11>C]-(+)-PMVのPET用シグマ受容体分子イメージング剤としての可能性を検討することにある。本年はまず、ポジトロン核種であるC-11の導入を容易にするため、ベサミコールのパラ位にメチル基を導入した(+)-para-imethylvesamicol[(+)PMV]の合成を検討した。合成は、4-bromobenzaldehyde(1)を出発原料として、アルデヒドの保護、グリニヤー反応等により4-methylbenzaldehyde(2)を合成する。2から5工程でベサミコール誘導体合成の際の基本構造体である4-(4-metylphenyl)piperidine(3)を合成した。目的の(+)PMVは3か2工程で合成できた。最終的に出発原料1から10行程で目的の(+)PMVを通算収率2.5%で得ることができた、構造はNMR,質量分析、元素分析により確認した。 次に、(+)PMVのシグマー1,2受容体及びVAChTに対する親和性を調べるためラット脳のP2分画を用いたインビトロ薬物阻害実験を行った。その結果、(+)-PMVの各受容体への親和性はσ-1受容体(Ki=3.0nM)、σ-2受容体(Ki=40.7nM)、VAChT(Ki=199nM)であり、σ-1受容体にのみ高い親和性を示した。C-11標識化のための前駆体であるトリブチルスズ体はp-iodovesamicolから合成した。[^<11>C](+)PMVはトリブチルスズ前駆体と[^<11>C]CH_3Iのクロスカップリング反応により、[^<11>C]CH_3Iに対し放射化学的収率38%、比放射能は11 TBq/mmol(EOB後30分)で合成した。 以上、(+)PMVはシグマ受容体に選択的に高い親和性を持ち、トリブチルスズ前駆体から容易に[^<11>C](+)PMVを合成することができた。来年度は[^<11>C](+)PMVのPET用シグマ受容体分子イメージング剤として可能性を動物実験により検討する予定である。
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