研究課題/領域番号 |
17591263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石津 浩一 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314224)
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研究分担者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
河嶋 秀和 (河島 秀和) 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359438)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 5IA / ニコチン / SPECT / 喫煙 / 受容体 / ニコチン受容体 / nAChR / 定量 / 禁煙 |
研究概要 |
5IA-SPECTを用いたニコチン作動性アセチルコリン受容体(nAChR)の定量解析により、健常被験者における脳内局所nAChRの計測を行ってきたが、当該研究においては喫煙者とその禁煙後の受容体の経時的変化を非喫煙者と比較した。喫煙中の計測として禁煙の4時間後の測定では、前頭葉においた関心領域での5IAの分布容積は、非喫煙者で14.6±3.0であったものが10.5±3.4と有意に減少した。この減少は他のすべての脳内領域でも同様に観察された。これに対し禁煙10日後の5IAの分布容積は18.4±1.4にまで上昇した。そして禁煙後20日には15.1±1.2まで低下しこの値は健常者群と有意差が認められなかった。剖検脳の検討では喫煙者のnAChRは非喫煙者より増加していることが知られている。今回の結果を考察すると以下のことがわかる。喫煙4時間後でかなり血中ニコチン濃度が低下した時点でも受容体結合能は健常者以下にまで低下していることが示された。一般的な喫煙者の場合、喫煙間隔は4時間以下であることが多く、喫煙者の日中のnAChR結合能が健常者より低下した状態であることが示された。次に10日の禁煙では血中のニコチンやその代謝物による影響が完全になくなり、本来の喫煙者のnAChRの増加を反映した結果となっている。また禁煙20日後には非喫煙者と有意差がないところまで5IA分布容積が低下しており、長期の喫煙によるニコチンの暴露にもかかわらず、nAChRは20程度の禁煙で非喫煙者程度の発現率に復帰していると考えられた。 今回、長期のニコチン負荷を受けている喫煙者脳内受容体が禁煙(負荷の中止)によって経時的にどうのような変化を来すか初めて示された。今後の臨床的意義とともに生理学的にも重要な報告となると考えられる。結果は現在Journal of Nuclear Medicineに投稿中である。
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