研究課題/領域番号 |
17591309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 (2006) 秋田県立脳血管研究センター (2005) |
研究代表者 |
高橋 和弘 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (20370257)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生体分子 / 腫瘍 / 放射線 / 分子認識 / 標識合成 / アポトーシス / PET / 分子イメージング / 脳・神経 |
研究概要 |
アポトーシスの決定因子であるBcl-2ファミリー蛋白質と呼ばれるたんぱく質群の中でアポトーシスを抑制する蛋白質Bcl-xLに特異的に結合する低分子化合物薬BH3I-2'の構造類似体のF18標識化合物[18F]FBH3I-2'を合成し、ラットを用いてin vivoの体内動態および腫瘍での集積について基礎的な検討を行った。 標識合成は[18F]フッ素アニオン水溶液を、テトラブチルアンモニウム重炭酸塩にして活性化した後、DMSO中130℃で10分間反応させ、標識前駆化合物(芳香環の4級アンモニウム塩)との求核置換反応を行った。生成した[18F]F-BH3I-2'は分取HPLCを用いて分取し、調剤処理を行い[18F]F-BH3I-2'注射剤を得た。標識合成は放射化学的牧率50%、放射化学的純度99%、合成時間60分であった。 さらに標識した[18F]F-BH3I-2'注射液について、ラットの体内分布は肝臓に非常に高い集積を示し、他の臓器への集積は低かった。特に脳への集積は非常に低かった。また肝臓での代謝物は60分後でもほとんど見られなかった。脳への集積が低いながらも肝臓から離れているため画像化は期待できることが示唆された。また、分裂速度の異なる2種類の腫瘍を大腿部に移植したヌードマウスの[18F]FBH3I-2'の臓器および腫瘍の放射能集積(%dose/g)はプラナーイメージング装置の画像からは視覚的に腫瘍への集積増加が認められた。ただし肝臓・腎臓の集積が非常に高く、腹部の腫瘍では画像化は難しいと考えられた。摘出した腫瘍組織では分裂速度の速いもので有意な集積の増加が認められ、本標識薬剤の腫瘍診断への有用性が示唆された。今後は、脳や腫瘍への移行性の高い類似標識プローブの開発を行い、脳や腫瘍におけるアポトーシスを評価し得るPET用標識プローブとしての有用性を検討する予定である。
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